【ダイハツ ハイゼットカーゴ&アトレー 新型】基本性能、安全性能、使い勝手…徹底的にこだわった《写真提供 ダイハツ工業株式会社》

ダイハツ工業は12月20日、新型となる『ハイゼットカーゴ』、『アトレー』を発表した。発表会で、ダイハツ工業製品企画部エグゼクティブチーフエンジニア松本隆之氏が商品概要を説明した。

ハイゼットは1960年に誕生し、たくさん詰めて壊れない、低価格で頼れる『働く相棒』として進化してきた。またアトレーは、4人に乗っても荷物がたくさん積める軽RVの先駆けとして1981年にハイゼットから派生して誕生した。ダイハツ調べによると、近年の労働環境は女性やシニアの方、外国の方など働き手の多様化が進んで、配送業は新型コロナの影響もあり、イーコマース需要が年々増加し、小口配送や1台当たりの積載量も増えているとのこと。これらの変化を具体的に把握するために、全国に足を運び、働く方々の現場の声を聞き込んだ。その結果、『たくさんの荷物を積んで効率的に仕事がしたい』、『使いやすい車が欲しい』、『趣味やレジャーでも使える車が欲しい』といった、意見が聞かれた。その声を反映すべく、大幅刷新したのが今回のモデルとのこと。

◆プラットフォームが17年ぶりに一新されたハイゼットカーゴとアトレー
開発コンセプトは、ハイゼットカーゴは『効率を極めた活力カーゴ』、ハイゼットトラックは『たさいトラック(多載、多才、多彩)』、アトレーは『使い尽くせるマルチBOX』となる。今回商用車にもDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を展開し、『良品廉価』、『最小単位を極める』、『先進技術をみんなのものに』という3つの考え方に基づき、商用車ならではの商品力強化が図られている。そのため、すべての働く方々が安全安心で、心地よく働くことができるように分かりやすい機能的なデザイン、操作しやすい自然に使える機能、疲れにくく運転しやすい走りに注力されている。
このような考え方のもと、ハイゼットカーゴとアトレーはプラットフォームを17年ぶりに一新し、ハイゼットトラックもパワートレインが刷新された。

◆新開発CVTを搭載しトラックにはデフロック機能まで装備
松本氏によると、「最大のポイントは新開発のCVTを採用したことだ。クラストップレベルの性能を実現し、いち早く商用CAFE規制にも対応し、環境への負荷を低減している。またCVTは力強い発進性能とシームレスでスムーズな加速、そして高い静粛性を実現し、運転中のストレスを低減している。クラスで初めて電子制御式4WDも採用し、路面の状況に応じて前後輪のトルク配分を最適化することで悪路や雪道でも安心して走行できる。ハイゼットトラックではCVT車にもスーパーデフロックを採用している」

「基本性能の進化の部分では、ボディ構造は結合部補強材を最適化することによって軽量化と剛性アップを実現し、サスペンションについてもアームの配置、ブッシュの最適配置などで、高速道路ではまっすぐ走る、ハンドリングでは思い通りに曲がるといった、乗り心地がいいという部分を向上させた」

「安全性能では最新のステレオカメラを使用した予防安全機能であるスマートアシストを採用し、安全安心性能も進化させた。この機能は全13機能を3車種共通で搭載している。とくに衝突回避支援機能には、夜間の歩行者にも対応し、後発進抑制機能にはブレーキ制御を追加している。ほかにも荷物を満載した時の後方視界や夜間の後方視界の確保にも寄与するスマートインナーミラーもクラス初で採用している」と、充実の進化内容をアピールしていた。

◆クラス最大の積載スペースとなったハイゼットカーゴ
次に、車種ごとの特徴についても解説した。ハイゼットカーゴは、車体構造をスクエアな形にすることでクラス最大の積載スペースを実現している。これは1回で1日分の荷物をすべて積みたいというお客様のニーズに答えたとのこと。室内もシートの固定金具や、リアシートベルトのリトラクターなど出っ張りを極力なくして床面や側面をフラットにしている。さらに荷室内に道具棚を自作される方も多いということで、荷室ナット数を2倍に増加させている。そのほか、荷物を持ったままでも簡単にドアの開け閉めができるようなパワースライドドアや、キーフリーシステムやプッシュボタンスタートをクラス初採用している。建設業などのドライバーに好評なハイゼットデッキバンや、車イスを積み込める福祉車両のハイゼットスローパーなどのラインナップもある。

価格については、ハイゼットカーゴは104万5000〜160万6000円[税込み]。ハイゼットデッキバンは132万〜170万5000円[税込み]。ハイゼットスローパーは168万5000〜182万5000円[税込み]。

◆効率よく仕事ができるクルマに進化したハイゼットトラック
ハイゼットトラックは、軽トラックナンバーワンの荷台フロア長をそのままに、新たにLEDの大型荷台作業等を採用して夜間の作業もサポートしている。また効率よく仕事ができる豊富な収納スペースや、汚れた手でも開け閉めしやすいキーフリーシステム、電動格納式カラードドアミラーなども採用されている。またゆとりある室内スペースにて荷物や仕事道具などが置ける点が好評の『ハイゼットジャンボ』には新グレードを設定している。ジャンボはハイゼットトラック販売台数のうち約20%を占めるまでに成長しているという。価格は、90万2000円〜145万2000円[税込み]。

◆車中泊などでも使いやすいリアスペースが用意されたアトレー
アトレーは、レジャーを中心とした新しいニーズに対応するため、広い居住・荷室空間と、最大350kgの積載量を実現。カーゴ同様にフラットで車中泊などでも使いやすいリアスペースに加えて、机を取り付けたいといった要望や、キャンプで汚れた床面を簡単に掃除したいといった声に応えた、アトレーならではの装備も用意されている。またスマートアシストでは全車速追従機能付ACCや、レーンキープコントロールといった運転負荷軽減機能を採用している。今回アトレーにもデッキバンを初めて設定し、福祉車両のアトレースローパーも用意している。

価格は、アトレーが156万2000〜182万6000円[税込み]。アトレーデッキバンが191万4000〜206万8000円[税込み]。アトレースローパーが206万〜220万円[税込み]。

◆ダイハツの独壇場でもあるハイゼットの特装車両シリーズも健在
最後にハイゼットをベースとした特装車両は、建設や運送など多様なお客様のニーズにきめ細かく対応するため、ダンプ、リフト、保冷・冷凍、配送の4シリーズ、13機種のバリエーションを揃えている。

ハイゼットカーゴ。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 クラス最大の積載スペースを実現。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 リアシートベルトのリトラクターなど出っ張りも極力減らされている。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 スクエア構造にすることで、さらにスペースを広げた。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 道具棚などを作り付けしやすいように荷室ナット数は2倍に増やされている。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 助手席も倒せば、さらに荷室スペースが広がる。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 電子制御式4WDの搭載により、路面の助教に応じて前後輪に最適なトルク配分が行われる。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 ハイゼットデッキバンもリリース。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 福祉車両のハイゼットスローパーも用意されている。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 ハイゼットトラック。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 収納スペースも多く取られている。シンプルで丈夫なシート。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 シンプルで丈夫なシート。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 LED大型荷台作業灯を採用。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 キーフリーシステムとプッシュボタンスタートが装備された。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 頭上部にも収納が用意された。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 ダッシュボード部分は小物が置けるスペースになっている。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 ハイゼットトラックにも、電子制御式4WDを搭載。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 新開発のFR用CVTを採用。クラストップレベルの燃費性能を実現。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 スマートインナーミラーを採用。夜間走行時にはヘッドライトの光量が抑えられて後方が見やすい。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 ハイゼットジャンボなら、運転席、助手席の後ろに荷物を置くスペースがある。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 アトレー。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 ラゲージルーム容量は1275Lにもおよぶ。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 シンプルながら、使い勝手のよいボタンレイアウト。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 アトレーも荷室部分の容量確保のため、スクエア化されている。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 オプションアクセサリーの荷室ボードなどを使えば、さらに使いやすさがアップする。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 アトレーデッキバンも初設定となった。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》 福祉車両である、アトレースローパーも用意されている。《写真提供 ダイハツ工業株式会社》