南アフリカから戻って来た旅行者にオミクロン株コロナウイルスが発見され、部分的ロックダウンを維持するオランダ(11月28日)《Photo by Pierre Crom/Getty Images News/ゲッティイメージズ》

ギリシャ文字で15番目の「オミクロン株」と命名された南アフリカを中心に感染が広がっている新型コロナウイルスの新しい変異株。その性質には不透明な点も多いが、デルタ株よりも強い感染力が指摘されるなど警戒を強めている。

こうした中、日本ではまだ感染が確認されたという報告はないものの、欧州などの各国で感染例が相次いでいることを受け、国立感染症研究所も「懸念される変異株」(VOC)に指定。3つの段階のうち、最も警戒度が高いレベルに引き上げて、監視をさらに強化するという。

きょうの各紙も「オミクロン株欧州急拡大、米警戒引き上げ」と、毎日が1面トップで報じたほか、他紙も1面や総合面など大きく取り上げている。

それによると、欧州ではベルギーで初めてオミクロン株への感染が確認されたのに続き、英国内でも2人の感染が確認されたと発表。また、オランダでは南アフリカからアムステルダムに到着した航空機2便の乗客のうち、13人にオミクロン株の感染が確認されたほか、ドイツでは南部バイエルン州などで3人の感染が確認。イタリアでも、モザンビークから帰国した人の感染が確認されたそうだ。さらに、チェコやデンマークでも感染者が出るなど、欧州はアフリカとの人の往来が活発で、オミクロン株の感染者はさらに増える可能性が高いとみられている。

新たな変異株が確認されたことで、先週11月26日の東京株式市場の日経平均株価は急落。終値は前日比747円66銭安の2万8751円62銭と、10月25日以来、約1カ月ぶりの水準に落ち込んだほか、世界的な感染の再拡大の懸念から、アジアや欧米市場でも株価が連鎖的に下落。

日経は「週明けの金融市場では円高と株安に対する警戒感が広がりそうだ」として「外国為替市場では週末に1ドル=113円台前半と、1日でおよそ2円の円高・ドル安が進んだほか、投資家のリスク回避姿勢が続けば、日経平均株価にも一段と下押し圧力が強まる可能性がある」とも伝えている。円高が加速すれば、自動車など輸出企業の為替差損につながり、中間期に発表した回復基調に水を差す恐れもある。

2021年11月29日付

●新変異株欧州で拡散、オミクロン、オランダ13人感染(読売・1面)

●日産EV投資1兆円超、30年まで電池開発や車種拡大(読売・1面)

●三菱自楽天で新車販売、毎月定額払い、若者への浸透狙う(読売・4s面)

●都市対抗野球、JR東日本王者ホンダ破る(産経・18面)

●週明け、円高・株安を警戒、原油高一服も関心(日経・3面)

●くま川鉄道、一部再開、熊本、昨夏の豪雨で被害(日経・42面)