トヨタ カローラクロス Z(左がガソリン2WD、右がハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》

今、注目度の高い新型車はトヨタ『カローラクロス』だ。エンジンは直列4気筒1.8リットルのノーマルエンジンとハイブリッドを設定している。駆動方式は前輪駆動の2WDが基本で、ハイブリッドであれば、後輪をモーターで駆動する4WD(E-Four)も選べる。

◆カローラクロスで最もお買い得なグレードは?


グレードはノーマルエンジン、ハイブリッドともに、ベーシックなG、中級のS、上級のZを用意した。ノーマルエンジンでは、200万円を下まわる199万9000円のGXも選択できる。

ただしGXは推奨できない。GXの価格は、Gに比べて24万1000円安いが、ドライバーの死角を補うブラインドスポットモニターなどの安全装備が採用されないからだ。

カローラクロスで最も買い得なグレードは、中級のSになる。価格はノーマルエンジンが240万円、ハイブリッドは2WDが275万円で、4WDのE-Fourは295万9000円だ。


SにもLEDヘッドランプなどは標準装着され、リヤゲートの電動開閉機能もオプション装着できる。装備内容はSで十分だ。またSには17インチアルミホイールが装着され、18インチのZに比べて乗り心地が快適だ。Sは装備と価格のバランスが優れている。

そして本革シートや見栄えの良い18インチアルミホイールなどが欲しいユーザーは、上級のZも検討する。Zの価格は、ノーマルエンジンが264万円、ハイブリッドは2WDが299万円、E-Fourは319万9000円だから、Sに比べて24万円高い。



◆ガソリンとハイブリッド、トータルでお得なのは…

ノーマルエンジンとハイブリッド(2WD)の価格差は35万円だ。『カローラツーリング』にも同様のエンジンとハイブリッドの組み合わせがあるが、この価格差は売れ筋グレード同士の比較で43万4500円に達する。つまりカローラクロスでは、ハイブリッドを普及させるために価格を割安に抑えた。

そしてカローラクロスのZ同士で、ノーマルエンジンとハイブリッドの購入時に納める税額を比べると、後者が約8万円安い。従ってノーマルエンジンとハイブリッドの実質差額は27万円に縮まる。



そこでレギュラーガソリンの価格を1リットル当たり150円(今の160円は高すぎる)、実用燃費をWLTCモードで計算すると、先に挙げた27万円の実質価格差は、約5万7000kmを走ると燃料代の節約によって取り戻せる。1年間に1万kmを走るユーザーでも5〜6年だ。

しかもハイブリッドはノーマルエンジンに比べると加速が滑らかでノイズも小さい。つまり走りの満足度も高いので、ノーマルエンジンに比べて買い得という見方も成り立つ。そのために先行受注状況を見ると、全体の90%をハイブリッドが占めた。

それでも購入する時には、販売店でノーマルエンジンとハイブリッド、2WDと4WDの試乗車を乗り比べて判断すると良いだろう。

トヨタ カローラクロス Z(ガソリン2WD)《写真撮影 小林岳夫》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》 トヨタ カローラクロス(左)とカローラツーリング《写真提供 トヨタ自動車》 トヨタ カローラクロス S(ハイブリッド車・2WD)《写真提供 トヨタ自動車》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド車・2WD)《写真提供 トヨタ自動車》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》 トヨタ カローラクロス Z(ハイブリッド2WD)《写真撮影 小林岳夫》