(新聞ウォッチ)《写真提供 写真AC》

日本を代表する大手企業における「不適切」な事例の発覚が相次いでいる。パナソニックは国家資格の「施工管理技士」と、大規模な工事で配置が法律で義務づけられている「監理技術者」の資格を、グループ内の計522人が不適切に取得していたと発表した。

きょう日経などが「パナソニック、国家資格など不正522人、実務不足で取得」などと報じている。それによると、社員が建設工事の管理に必要な「施工管理技士」という国家資格を取得する際に、実務経験の条件を満たしていなかった疑いが発覚したことから、2020年11月、弁護士でつくる第三者委員会を設置して、調査を実施。その結果、1981年以降、子会社や関連会社の社員を含めて522人の技術者が、国家資格などを取得する際に、実務経験の期間を重複して計算していたり、期間の確認を行っていなかったりしていたことが判明した。522人のうち100人超は問題発覚以降に資格を取得していたそうだ。

不適切に取得した技術者が責任者として配置された住宅やビルなどの件数は、2422件にのぼる可能性があるというものの、これまで品質や安全性への影響は確認されていないとしている。

一方、「ダンロップ」のブランドで知られるタイヤメーカー大手の住友ゴム工業では、兵庫県の加古川工場で検査不正が発覚したため、国際標準化機構(ISO)の品質に関する国際規格の認証が取り消されたと発表した。同工場で生産する医療用ゴムと港湾岸壁用ゴムが対象で、大阪府の泉大津工場で生産する同様の医療用部品の認証も一時停止されたという。

住友ゴムでは「医療用ゴムの検査に問題はない」としているが、外部認証機関から産業用ゴムの品質管理全体の問題と判断されたとみられる。また、不適切検査について8月に外部の弁護士を含めた調査委員会を設置し、10月末に最終報告を公表する方針という。

社長の引責辞任にまで発展した三菱電機をはじめ、不適切な事例が発覚しても大半の企業では品質や安全面に「影響は確認されていない」とか「問題はない」と言い切ったりしている。では、国などがなんのために資格や検査基準を定めているのか。時代の流れに見合わない資格や基準も指摘されており、これまでにも理解に苦しむケースも多々ある。

2021年9月1日付

●首相、9月中旬解散意向、衆院選10月17日投開票 (読売・1面)

●パナ、不適切資格522人 (朝日・7面)

●コロナ下でも7月の宿泊者3000万人超「GoTo」実施の昨年11月以来(朝日・7面)

●特殊端末で高級車盗、システム侵入、エンジン始動、容疑の2人逮捕被害10億円 (産経・24面)

●よみうりランド女性重傷、アトラクションに乗車中 (産経・24面)

●選手と接触事故の自動運転バス再開 (東京・26面)

●EVの充電時間分散、日産や三菱商事系、実証実験、電力負荷を軽減 (日経・16面)