ルノーグループのCEOを退任するルカ・デメオ氏《photo by Renault》

働き盛りのビジネスマンなどがキャリアアップのための “渡り鳥人生”はよくあることだが、大手自動車メーカーの首脳が異業種の高級ブランド大手のトップに就任するという、いわゆる “華麗なる転身”は極めて珍しいことだろう。

仏自動車大手ルノーは、日産自動車との資本関係見直し協議などに精力的に取り組んだルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)が7月15日付で退任すると発表した。

一方で仏有力紙の「フィガロ」は、デメオ氏がグッチやサンローランなどを展開する仏高級ブランド大手のケリングのCEOに就任するとも報じている。

きょうの読売や日経なども取り上げているが、それによると、デメオ氏はイタリア出身で大学卒業後にルノーに入社し、その後もトヨタの欧州拠点や独フォルクスワーゲン(VW)グループなどの自動車メーカーを渡り歩きながらキャリアを築いてきた。

ルノーと日産自動車の会長を兼任していたカルロス・ゴーン氏の逮捕後、2020年7月にルノーのCEOに就任。日産への出資比率を大幅に引き下げ、相互の最低出資比率を10%に改めた一方、欧州で今後も普及が見込まれる電気自動車(EV)シフトを進めるための新会社を設立するなど事業内容を刷新するとともに、コロナ禍にもかかわらず利益率を向上させるなどの手腕を発揮した。

デメオ氏も「ルノーグループでは計り知れない挑戦に直面した。多くの人が不可能と考える事柄を成し遂げた」とのコメントを公表したという。

そのデメオ氏は「自動車業界の外で新たな挑戦をする」ために、仏高級ブランド大手のケリングのCEOに就任する予定で、苦戦する「グッチ」などの傘下の高級ブランドの立て直しが次の課題となるようだ。

2025年6月17日付

●車関税下げで合意視野、首相米の撤回望めず、きょう首脳会談(読売・1面)

●ルノーCEO退任へ、仏高級ブランドトップ転身、現地報道 (読売・9面)

●日産リストラ「生活関わり簡単でない」エスピノーサ社長「整理して発表」 (朝日・6面)

●ガソリン税対立火種、暫定税率廃止、与党審議応ぜず、国会最終盤(産経・5面)

●商用EV新興が存在感、フォロフライ 出荷5倍、生産は委託、EVモーターズ バス200キロ走行可能(日経・12面)

●トヨタ系KINTO、初の黒字 (日経・13面)

ルノーのルカ・デメオCEO《photo by Renault》