JR渋谷駅近くの事前予約が不要な新型コロナウイルスの若者向けワクチン接種会場では希望者が殺到して、早朝から長蛇の列ができ、一時は約1km離れたJR原宿駅付近まで行列が続いたという。
感染力の高いデルタ株の感染爆発で自宅療養中に亡くなる人も増えており、感染対策に有効な手段とみられているワクチン接種を早く済ませたい気持ちはよくわかる。それにしても、東京都が1日に準備したワクチンは、わずか200人とか300人分と聞いて一桁も二桁も違うのではないのかと、耳を疑った。しかも、先着順から慌てて抽選制に変更したのも、いかにも想定の甘さとその場しのぎの“お役所”らしい対応だ。
一方で、若年層を中心に接種をためらう人も少なくないようで、自治体や企業などではワクチン接種者への優遇策を打ち出す動きが広がっているという。きょうの読売が総合面の「スキャナー」で「『特典』で接種後押し、コロナ収束と経済回復狙い」とのタイトルで詳しく取り上げている。
それによると、なかでも目玉景品で若年層の関心を引くのは群馬県だそうだ。県内に工場があるSUBARU(スバル)の寄付を受け、ワクチンを2回接種した 20〜30代の県民から抽選で1人に小型スポーツ用多目的車(SUV)の『XV』をプレゼントするほか、100人に5万円分、250人に2万円分の県内旅行券も贈るという。
また、愛知県は、10月末までに2回の接種を終えた20〜30歳代の若者を対象に、抽選で2万人に1万円分の食事券を配布するなど、工夫を凝らした「特典」で若者の接種を呼び掛けている。だが、ワクチン不足による自治体や職場接種の遅れやモデルナ製のワクチンに異物が混入する事例も発覚するなど、「集団免疫」の達成までに足を引っ張る出来事も気になるところだ。
2021年8月30日付
●給油所維持へ補助金、店舗集約や経営多角化、経産省が概算要求(読売・2面)
●「特典」で接種後押し、抽選で車・旅行券・飲食割引(読売・3面)
●リニア整備、暗礁抜け出せず、準備工事着手1年以上遅れ、JR東海「ルート変更ない」(産経・5面)
●内閣支持率34%横ばい、コロナ対策「評価せず」64%、本社世論調査(日経・1面)
●社説、自動運転は安全向上を第一に(日経・2面)
●さよならセダン、幸せの車は、身の丈の実用SUV、究極は「走るリビング」(日経・11面)
●自動運転の事故、誰の責任、遅れる法整備、企業の開発に影響も(日経・17面)
●池袋暴走来月2日地裁判決、過失の有無巡り対立、「誤ってアクセル踏む」検察側、「経年劣化で車に異常」弁護側(日経・38面)
スバル“太っ腹”、地元群馬の若者に XV 贈呈---ワクチン接種後押し[新聞ウォッチ]
2021年08月30日(月) 08時54分
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