フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》

フォルクスワーゲンは、9月にドイツで開催される「IAAモビリティ2021」において、『ID.5 GTX』(Volkswagen ID.5 GTX)のプロトタイプを初公開する。8月6日、フォルクスワーゲンが発表した。

◆電動SUVの『ID.4』のクーペ版に位置づけ

ID.5 GTXは、フォルクスワーゲンブランド初のフル電動SUVクーペだ。フォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの中では、電動SUVの『ID.4』のクーペ版に位置づけられる。

また、「GTX」はパフォーマンスとデザインを重視し、「GTI」やプラグインハイブリッド車(PHV)の「GTE」と並んで、フォルクスワーゲンのEVのトップパフォーマンスモデルに位置付けられる。ID.5 GTXは、すでに欧州で発表されているID.4 GTXに続く、GTX第2弾モデルとなる。

ID.5 GTXは、フォルクスワーゲングループの新世代EV向け車台「MEB」をベースに、デュアルモーター4WDシステムを搭載する。フル電動SUVクーペとして、エレガントなデザインと強力なツインモーター+4WDを採用しているのが特長だ。また、ID.5 GTXはフルコネクテッドEVを標榜しており、無線でソフトウェア更新を受信できるという。車両が他車やインフラと通信を行う「Car2X」テクノロジーも搭載している。

◆LEDマトリックスヘッドライト「IQ.Light」採用

ID.5 GTXは、エレガントさやスポーティさを追求する。短いオーバーハングと大きなホイールがその強い特徴を際立たせているという。

フロントには、インテリジェントに制御されたハイビームを可能にする「IQ.Light」と呼ばれるLEDマトリックスヘッドライトが採用された。フロントグリルには、ライトストリップを装備する。フロントバンパーのグリルは、ハニカムパターンとした。

フラットに傾斜したAピラーは、ルーフラインにエレガントな流れを与える、と自負する。リアには、ワイド感を強調するライトストリップを装備した。3DデザインのLEDテールライトによって、高級感を追求している。

◆1回の充電での航続は497kmに

ID.5 GTXでは、フロントアクスルとリアアクスルの両方に電気モーターを搭載する。このツインモーター+4WDにより、強力な走行性能、優れたトラクション、スポーティなハンドリングを実現している、と自負する。

すでに欧州で発表されているID.4 GTXの場合、リアアクスルのモーターに加えて、フロントアクスルにもモーターを搭載する。ツインモーターは合計で、299hpのパワーを引き出す。

ID.4 GTXの駆動方式は、ID.シリーズ初の4WD。299hpのツインモーターとインテリジェントに制御されたAWDの組み合わせにより、ID.4 GTXは、0〜100km/h加速6.2秒の性能を発揮する。最高速はリミッターにより、180km/hに制限される。フロントのモーターは、強力なトラクションが必要な場合などに、瞬時に作動する。走行モードの「トラクション」を選択した場合、常時AWDになる。

ID.5 GTXでは、前後アクスルの間に大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載する。1回の充電での航続は、497kmを可能にしているという。

ID.5 GTXが2022年、欧州のディーラーに到着すると、スポーティなGTXブランドの2番目のモデルとなる。2030年までに、フォルクスワーゲングループは自動車1台あたりのCO2排出量を30%削減することを目標に掲げる。フォルクスワーゲングループは2030年までに、新車販売の50%をEVにする計画だ。欧州では同年までに、新車販売の70%をEVにすることを目指す。2040年には、世界の主要市場の新車のほぼ100%がゼロエミッションになると予想する。遅くとも2050年までに、フォルクスワーゲングループは完全にカーボンニュートラルに移行する予定、としている。

フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.5 GTX のプロトタイプ《photo by VW》