モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》

日産自動車の欧州部門は5月24日、新型EVの『アリア』(Nissan Ariya)が初の一般向け走行をモナコの市街地コースで行った、と発表した。すでにアリアには、全世界でおよそ3万4000人が購入に関心を寄せているという。

◆バッテリーの蓄電容量は65kWhと90kWhの2種類

アリアに搭載される新開発の電動パワートレインには、ニーズに合わせて2種類のバッテリーサイズと2種類の駆動方式をラインナップしている。

バッテリーサイズは、蓄電容量が65kWhと90kWhの2種類が用意される。このうち、65kWhバッテリー搭載モデルは、通勤や買い物などの日常的な使い方だけでなく、週末のドライブにも充分な航続を備える、と自負する。また、90kWhバッテリー搭載モデルはアリア最長の航続を備え、ロングドライブを楽しみたい顧客向けだという。

アリアの駆動方式には、2WDと新しい4輪制御技術の「e-4ORCE」を採用した4WDを設定する。e-4ORCEでは、前後に合計2基の電気モーターを搭載しており、それぞれのトルクを個別にコントロールすることができる。加速時のトラクション性能をはじめ、減速時には前後モーターそれぞれで回生量を調整し、ブレーキ時の車両の沈み込みを減少させるなど、車体の揺れを抑える制御を行う。

また、コーナリング時は、前後のトルク配分を適切に調整するとともに、4輪のブレーキを個別に制御する。これらの制御によって、雨天や雪道などさまざまな道路環境下においても、安全性を追求している。

◆1回の充電の航続は最大610km

新開発のEV専用プラットフォームは、重量物であるバッテリーを車体中央に配置し、低重心かつ前後の重量配分が均等になるように設計した。また、バッテリーケース内にクロスメンバーを配し、フロアトンネルがないフラットなフロアによって、高い剛性を追求している。組み合わされるサスペンション部品も、高剛性な部品を使用した。

アリアには、「e-Pedal」を搭載する。これにより、アクセルペダルの踏み加減を調整するだけで発進、加速、減速をコントロールすることができるという。

新開発のEVパワートレインは、新しいモーターによって、高速巡行時の消費電力を低減させることを目指した。2WDの90kWhバッテリー搭載モデルの場合、1回の充電の航続は最大610km(WLTCモードによる日産測定値)を可能にする。

また、アリアは、最大出力130kWの急速充電に対応する。バッテリーの温度を一定に保つ水冷式の温度調節システムを採用し、30分の急速充電で最大375kmの航続分を充電することを可能にしている。

◆「フォーミュラE」の開催に合わせてモナコのストリートサーキットを走行

このアリアが、初の一般向け走行をモナコの市街地コースで行った。これは、日産が参戦している「フォーミュラE」の開催に合わせたもの。モナコのストリートサーキットを舞台にしたアリア初のパブリックドライブは、日産EVの歴史におけるエキサイティングなマイルストーンになったという。

日産の欧州、中東、アフリカ、インド、オセアニア担当、アルノー・シャルパンティエ副社長は、「モナコの市街地コースでのアリアの初走行は、e-4ORCEテクノロジーを紹介する最適な方法。アリアの初走行は、日産のEVジャーニーの次の章の決定的な瞬間だ」と語る。

なお、日産の欧州部門はアリアに対して、すでに全世界でおよそ3万4000人が、購入に関心を寄せている、としている。

モナコ中心部を背景にした日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 モナコを走行する日産 アリア《photo by Nissan》 日産アリア《写真提供 日産自動車》 日産アリア《写真提供 日産自動車》 日産アリア《写真提供 日産自動車》 日産 アリア ワイヤレスチャージ器(点灯)《写真提供 日産自動車》 日産 アリア 操作パネル(点灯)《写真提供 日産自動車》