スズキのインド、グジャラート工場《写真提供 スズキ》

新型コロナウイルスの1日の感染者数が30万人を超すハイペースのインドで、救命医療用の酸素が不足しているという。3月後半から変異株などの感染が急拡大し、酸素が足りずに死亡する人が増加しており、医療崩壊が深刻な問題となっているそうだ。

こうした中、バイデン米政権は、感染が急拡大のインドに対し、1億ドル(約110億円)分の医療物資を供給すると発表。欧州や中国なども酸素ボンベやマスク、治療薬などを送って、インド政府の対応を支援するという。

また、インド市場が生命線のスズキでも、現地法人の子会社のマルチ・スズキが北部ハリヤナ州のグルガオン工場とマネサール工場での生産を5月1日から9日にかけて停止すると発表した。

きょうの毎日や日経などが報じているが、スズキではインドにある3工場の生産を一時停止するのは、工場で使用する工業用の酸素を医療に回すための措置として実施するという。

工業用の酸素は、自動車部品の溶接などに使われるそうだが、インド政府は工業用酸素を医療用に回す指示を出しており,現地のスズキの取引先でも酸素不足を受け、部品の生産が難しくなっているという。直近では世界的な半導体不足で自動車の生産を相次いで停止する動きが広がっているが、医療体制の危機から人命救助を最優先しての酸素不足で、工場の稼働が止まるケースは珍しい。

2021年4月30日付

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