ジャガー Eタイプ・ロードスターS1 3.8《写真撮影  内田俊一》

4月9日から11日まで開催されているオートモビルカウンシル2021(幕張メッセ)。その会場にはジャガーEタイプ誕生60周年セレブレーションというコーナーが設けられ、ジャガークラブジャパン設立50周年とともに『Eタイプ』誕生60周年がお祝いされた。

ジャガーEタイプがデビューしたのが1961年ジュネーブショーである。「それを記念してジャガー黄金期にスポットライトを当てた」と主催者は語る。展示車両は1963年型『Eタイプ・ロードスターS1 3.8』。62年型『Eタイプ・レーシング・モディファイド・クーペ』。そして1951年と53年にルマンを制した『Cタイプ』のベースとなった1952年型の『XK120ロードスター』と1953年型の『同フィクスドヘッド・クーペ』。そして1972年型デイムラー『ダブルシックス・シリーズ1ロングホイールベース』の5台だ。

ジャガーEタイプは前述の通り1961年にデビュー。クーペとロードスターの2種類が選べた。展示されている車両は最初期のシリーズ1で3.8リットルエンジンを搭載したもの。空力学者で、もとは航空機のエンジニアだったマルコム・セイヤーがデザインしたボディは、現代の多くのデザイナーが最も美しい1台として挙げるほどだ。

そしてもう1台のEタイプはレーシング・モディファイド・クーペで、のちに手が加えられレーシング仕様にしたものだ。そのもととなるのは“4868WK”というレジストレーションナンバー(日本でいうナンバープレート)を持つ唯一ファクトリーで製造されたロードラッグクーペで、通称リンドナークーペと呼ばれるものである。

1952年型のXK120ロードスターとフィクスドヘッド・クーペはまず初めにロードスターが市場に導入され、その後固定式ルーフを備えたフィクスヘッドクーペが投入された。いずれもアメリカ市場を意識したクルマで、生産総数の約9割がアメリカに送られたといわれている。因みに120とは最高速度、120マイルを指すものだ。

最後のデイムラーダブルシックス・シリーズ1ロングホイールベースはいまのXJシリーズに続くジャガーのスポーツセダンの始まりともいえる。もともとデイムラーは自動車メーカーであったが後にジャガーに吸収され、XJシリーズの最上級グレードの名称として使われるようになった。エクステリアで大きく違うのはフロントグリルで上部が波状になるフルーテッドグリルと呼ばれるものになる。ボディはイギリスのコーチビルダー、ヴァンデン・プラの手になるもので、英国王室御用達の1台でもある。

ジャガークラブジャパン設立50周年《写真撮影  内田俊一》 ジャガー Eタイプ・ロードスターS1 3.8《写真撮影  内田俊一》 ジャガー Eタイプ・ロードスターS1 3.8《写真撮影  内田千鶴子》 ジャガー Eタイプ・レーシング・モディファイド・クーペ《写真撮影  内田俊一》 ジャガー Eタイプ・レーシング・モディファイド・クーペ《写真撮影  内田俊一》 ジャガー Eタイプ・レーシング・モディファイド・クーペ《写真撮影  内田千鶴子》 ジャガー Eタイプ・レーシング・モディファイド・クーペ《写真撮影  内田俊一》 ジャガー XK120ロードスター《写真撮影  内田千鶴子》 ジャガー XK120ロードスター《写真撮影  内田千鶴子》 ジャガー XK120フィクスドヘッド・クーペ《写真撮影  内田千鶴子》 ジャガー XK120フィクスドヘッド・クーペ《写真撮影  内田千鶴子》 デイムラー ダブルシックス・シリーズ1ロングホイールベース《写真撮影  内田千鶴子》 デイムラー ダブルシックス・シリーズ1ロングホイールベース《写真撮影  内田千鶴子》 ジャガークラブジャパン設立50周年《写真撮影  内田俊一》