スバル群馬製作所大泉工場《写真提供 スバル》

2021年の春闘が集中回答日を迎え、自動車や電機メーカーなどの大手企業が労働組合の要求に対して一斉回答を行ったが、新型コロナウイルス感染の収束が見通せないなかで、妥結額が前年を下回る企業が相次いだという。

きょうの各紙も1面や経済面などでなどで「労使『脱ベア』加速、雇用の維持、重視も」(読売)や「コロナ下賃上げ明暗、電機はベア確保、航空は要求見送り」(朝日)、「トヨタ・ホンダ満額でも大手伸び悩み、雇用維持ベア見送り」(東京)。さらに「賃上げ2%割る公算,官製春闘の効果消える」(産経)などの見出しで取り上げている。2014年から始まった「官製春闘」で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げ率「2%以上」が続いていたが、8年ぶりに2%を割る可能性もあると伝えている。

これまでの労使交渉では、年齢や勤続年数などに応じて基本給を定期的に引き上げる定期昇給の実施や、基本給を一律に引き上げるベアの有無の議論が中心だった。ところが、コロナ下の今年の春闘で鮮明になったのは、「自動車、交渉先導役退く」(朝日)のタイトルが示すように、かつてはベアのけん引役といわれた自動車業界の春闘交渉は様変わりし、「脱ベア重視」の動きが広っているのが特徴だ。

自動車メーカーでは、ホンダ、マツダ、三菱自動車は労組がベアを要求しなかったほか、トヨタ自動車、日産自動車、ダイハツ工業などはベア実施の有無は非公表。スズキ労組はベアと定昇分を分けずに、それを合算した「総額」で要求していた。それでも、ひと足先に妥結したホンダのほか、トヨタや日産も労組の賃上げ要求に満額で回答。ただ、読売によると「SUBARU(スバル)は8年ぶりにベアゼロだった」とも報じており、同業でも格差が広がっているようだ。

2021年3月18日付

●緊急事態21日全面解除、首相表明、時短要請は継続(読売・1面)

●春闘賃上げ足踏み、コロナ、8年ぶり2%割れか(読売・1面)

●五輪海外客断念決定、首相・五輪相、5者協議へ(読売・2面)

●全画像・動画韓国で保管、LINE、指針の記述見直し(朝日・1面)

●タクシー窓にデジタル広告、6月から都内100台空車時に(朝日・9面)

●ホンダ北米工場数日停止へ(朝日・9面)

●けいざい+、「最速」が示す未来、eスポーツリアルな存在感(朝日・9面)

●デジタル家電10月に見本市、オンラインでも(毎日・7面)

●EV戦国時代、「AIカー」トヨタvs.アップル(産経・8面)

●BMW「ミニ」EV専用に、30年代初頭、ブランド転換(日経・15面)

●ガソリン16週連続上昇、店頭147.3円(日経・22面)