メルセデスベンツの「MBUXハイパースクリーン」(CES 2021)《photo by Mercedes-Benz》

メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)は1月11日、米国でデジタル開幕したCES 2021において、「MBUX」(メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)の新機能、「メルセデストラベルナレッジ」を発表した。

「MBUX」は、メルセデスベンツの新世代のインフォテインメントシステムだ。このシステムの特長は、人工知能(AI)によって学習することにある。MBUXはカスタマイズ可能で、ユーザーに適応する。無線通信での更新も可能だ。タッチスクリーンで操作する高解像度のワイドスクリーンコックピット、拡張現実(AR)技術を備えたナビゲーションディスプレイ、「ハイ、メルセデス」で音声アシストが起動するインテリジェントな音声コントロールが含まれている。

◆質問に車載ディスプレイと音声アシストが回答

メルセデスベンツは1月11日、米国でデジタル開幕したCES 2021において、このMBUXの新機能、メルセデストラベルナレッジを発表した。

このインテリジェントな機能は、地図データと車両周辺のデータを検証し、個々の建物や名所から都市全体まで、ルート沿いの興味深いランドマークに関する多くの情報を提供する。ドライバーや乗員は、「ハイ、メルセデス。この建物について教えてください」など、MBUXに質問することができる。

また、「ハイ、メルセデス。左に見えるレストランの名前は何ですか?」と質問すると、そのレストランの情報が車載ディスプレイに表示されるだけでなく、音声アシスタントによって回答される。クラウドを介したMBUXの柔軟なアップデートシステムのおかげで、この機能は『EQS』に加えて、新型『Sクラス』でも利用できるようになるという。

◆MBUXの最新版「MBUXハイパースクリーン」

このメルセデストラベルナレッジは、MBUXの最新バージョンを搭載する「MBUXハイパースクリーン」でも利用できる。MBUXハイパースクリーンは人工知能(AI)を利用して、インフォテインメント、快適性、車両機能の操作と表示を、新しいレベルに引き上げているのが特長。大きく湾曲したスクリーンユニットが、ダッシュボードの横幅いっぱいに配置される。これにより、直感的で簡単かつ、感情的なデジタル体験を可能にするという。

EQS向けの最新MBUXシステムは、8CPUコア、24ギガバイトRAM、46.4 GB /秒のRAMメモリ帯域幅を持つ。1台の多機能カメラと1台の光センサーの測定データを利用して、画面の明るさを周囲の条件に適合させることができる。マッサージプログラムから誕生日のリマインダー、やることリストの提案まで、20以上の機能が人工知能(AI)の助けを借りて自動的に提供される。

学習可能なソフトウェアにより、表示や操作がユーザーに適応し、インフォテインメント、快適装備、車両機能について、ユーザーに最適な提案を行う。いわゆる「ゼロレイヤー」(最も重要なアプリケーションにアクセスするには、0のメニューレベルをスクロールする必要がある)のおかげで、サブメニューをスクロールしたり、音声コマンドを実行したりする必要がない。最も重要なアプリケーションは、常に状況に応じてトップレベルに表示される。

タッチスクリーンの下には、操作中の触覚フィードバック用に合計12個のアクチュエータが内蔵された。指が特定のポイントに触れると、カバープレートに目に見える振動が発生する。

◆ディスプレイの有効面積は2432.11平方cm

MBUXハイパースクリーンの湾曲したスクリーンは、複数のディスプレイがシームレスに融合しているように見える。エアダクトは、この大型デジタルディスプレイと一体設計された。スクリーンの幅は141cmに達する。ディスプレイの有効面積は2432.11平方cmだ。鮮やかな表示を追求するために、OLEDテクノロジーが中央と助手席側のディスプレイに使用されている。すべてのグラフィックには、青とオレンジの配色が使われた

MBUXハイパースクリーンは、プラスチック製のフレームに囲まれている。「シルバーシャドウ」と呼ばれる3層コーティングシステムは、非常に薄い中間層を持ち、高品質の表示を実現するという。MBUXハイパースクリーンの下部にはアンビエント照明が組み込まれており、ディスプレイユニットがインストルメントパネルに浮かんでいるように見える。

MBUXハイパースクリーンは、最大7つのプロファイルでコンテンツをカスタマイズできる。助手席前方のディスプレイには、エンターテインメント機能がある。助手席に乗員がいない場合、メルセデスベンツのパターンとして、アニメーション化された星が表示される。

MBUXハイパースクリーンは、直感的な操作を可能にする。EVモードで走行している場合、ブーストや回生などのEVパワートレインの状態が、クラスプを使用した新しい方法で視覚化される、としている。

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