キャデラック・リリックに最初に採用される次世代の33インチ車載ディスプレイ《photo by Cadillac》

キャデラック(Cadillac)は1月11日、米国でデジタル開幕したCES 2021において、将来の市販車に搭載する次世代の車載ディスプレイを発表した。

◆新型EVクロスオーバー車、リリックに最初に採用

この次世代の車載ディスプレイは、キャデラックの次世代EVクロスオーバー車、『リリック』に最初に採用される予定だ。リリックには、GMが新開発した第3世代のEVプラットフォームを搭載するブランド初のEVだ。

リリックでは、ドライバーが近づくとドライバーを認識し、照明を使ったアニメーションで出迎え、同時に車内のシート、ミラー、エアコンディショナーを最適に調整する。車内には、キャデラックのドライバーインフォメーション、インフォテインメント、コネクティビティが統合されており、よりシームレスで充実したエクスペリエンスを提供するという。

また、新開発の「デュアルプレーン拡張現実(AR)対応ヘッドアップディスプレイ」には、車速や方向などを表示するニアプレーンと、透過型ナビゲーションシグナルやその他の重要な警告を表示するファープレーンの2つの表示面を採用している。

◆大型の対角33インチ最新LEDディスプレイ

このリリックに採用されるのが、次世代の車載ディスプレイだ。大型の対角33インチの最新LEDディスプレイは、ドライバーの視野全体に広がる大きなひとつの画面に、ドライバーインフォメーションの詳細、インフォテインメントコントロール、カメラビューを表示する。

現在の自動車業界では最高水準の画素密度を備え、他の車両よりも64倍も多い10億色以上を表示できるという。バッテリーや充電のモニタリングは、ひと目でわかるように、簡単なグラフィックで表示される。このシステムは、オーナーの好みに応じて自宅や外出先での車両のエネルギー需要を明らかにするだけでなく、エネルギー消費量のモニタリングと予測の上で、充電時期を提示することも可能だ。

次世代の車載ディスプレイは、ドライバーの気分や個性に合わせたディスプレイテーマによって、柔軟なユーザーエクスペリエンスを提供するように設計されており、カスタマイズ可能なユーザーインターフェイスを提供する。さまざまな情報は、最も必要な場所に直感的に表示される。

◆自動車業界以外の企業2社と共同開発

キャデラックは、この次世代の車載ディスプレイの開発において、「テリトリースタジオ」や「ライトポイント」といった新興企業と協力した。自動車業界以外の革新的な企業と協力することにより、ユーザーインターフェイスを検証し、キャデラックのまったく新しい車載ディスプレイを開発することを目指した。近い将来のテクノロジーと創造的なデザインにおける両社のノウハウが、キャデラックの未来に新鮮なビジョンをもたらしたという。

テリトリースタジオは、ゲームや映画などを手がけるクリエイティブスペシャリスト。2Dや3Dのリアルタイムグラフィックスに関して豊富なノウハウを持っており、安全かつ正確な方法ですべてのオンボードテクノロジーにアクセスでき、コネクティビティを中心にした車内エクスペリエンスを提案した。

ライトポイントは、戦略や設計、各種テクノロジーなどを手がける企業。キャデラックのチームと協力して、未来へのビジョンをまったく新しい方法で実現することに取り組んだ。直感的で新鮮な体験を一気に生み出すのが狙い。キャデラックによると、ライトポイントがキャデラックブランドのユーザーエクスペリエンスを刷新し、デジタル対応の世界におけるラグジュアリーを、再定義することに貢献したという。

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