日産 フェアレディZ プロトタイプと田村 宏志チーフプロダクトスペシャリスト《photo by Nissan》

日産自動車(Nissan)の米国部門は12月24日、『フェアレディZプロトタイプ』の開発を統括する田村宏志チーフプロダクトスペシャリストが、Zの魅力や「Zらしさ」について語ったインタビューを公開した。

フェアレディZプロトタイプは、日産を代表するスポーツカー『フェアレディZ』の次期型を示唆したプロトタイプだ。50年に渡る歴史を持つフェアレディZの伝統と、現代的な雰囲気を組み合わせた新しいスポーツカーを目指している。

シャープで長いボンネットの下には、V型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。トランスミッションは、6速MTを組み合わせた。現在、次期フェアレディZの発売に向け、求められる性能と扱いやすさを重視しながら、開発が進められている。

◆「Zらしさ」とは日産のスピリットそのもの

このフェアレディZ プロトタイプの開発を統括しているのが、田村チーフプロダクトスペシャリストだ。今回同氏が、Zの魅力や「Zらしさ」について語っている。

田村チーフプロダクトスペシャリストにとって、Zらしさとは日産のスピリットそのものだという。ひと目で人を魅了し、ずっと付き合っていきたいと思わせるデザイン。ドライバーとクルマがまさにシンクロしたかのような、一体感や絆を感じることができ、そして結果として強いドライビングプレジャーを生み出す。それが、Zらしさだ、と明かす。

50年に及ぶ長い歴史を持つZに対しては、顧客の思い入れが強い。田村チーフプロダクトスペシャリストによると、Zのファンは、見た目や性能、歴代Zとの思い出など、それぞれの思い入れがあり、次期型の開発では、それらの期待に当然応える必要があったという。

◆Gノーズ付きの『240ZG』や「Z31型」を所有した田村氏

ところで、田村チーフプロダクトスペシャリストも、Zのオーナーのひとり。Gノーズ付きの『240ZG』を中古で購入し、性能を追求してチューニング。240ZGの外観は、空気を切り裂くようなフォルムで空力性能に優れたボディ、低くて幅広いスタンス、ロングノーズショートデッキのシルエット、大胆なボルト留めのオーバーフェンダーなど、日本の自動車メーカーがこのようなデザインのクルマが出せるのか、と驚いたという。

もう一台、田村チーフプロダクトスペシャリストが所有したZが「Z31型」。当時、チューニング業界は大きく成長していて、多くのアフターパーツが手頃な価格で入手できたため、冷却システムやブレーキシステム、その他にも多くの細部に手を加えて、最終的には自分好みのクルマに仕上げることができた、と振り返る。

◆長年Zを所有してきた経験が次期型の開発に生きる

田村チーフプロダクトスペシャリストによると、長年Zを所有してきた経験が、フェアレディZプロトタイプの開発に役立っているという。Zに求められるものは、スタイリング、パワー、テクノロジーのバランスで、それは顧客が乗ってすぐに感じるものでなければならず、Zに乗ったすべての顧客が笑顔になってくれたらという思いで、検討を重ねてきた、と明かす。

最後に、田村チーフプロダクトスペシャリストは、動力性能を誇る高価なクルマはたくさんあるが、Zは高性能を誰もが楽しむことができ、ドライバーとクルマの一体感を感じられるクルマ。それは、とても息の合ったダンスパートナーのように、ドライバーの思いに心地よく応えてくれるので、より深いつながりを感じることができる、と語っている。

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