ホンダe(EV)《写真撮影 中野英幸》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

来年1月の通常国会に提出し、成立を目指す新型コロナウイルスの感染拡大に伴う追加経済対策などを盛り込んだ、2020年度第3次補正予算案が閣議決定された。総額は15兆4271億円で、当初予算と過去2回の補正予算も合わせた20年度一般会計の歳出は175兆6878億円に膨らむそうだ。

きょうの読売が1面トップなど、各紙が取り上げているが、追加経済対策は、約4.3兆円に上る「新型コロナの感染拡大防止策」のほか、「経済構造の転換・好循環の実現」、「防災・減災、国土強靭化」などが大きな柱となっている。

このうち、菅政権が表明した目玉政策の「50年に日本の温暖化ガス排出を実質ゼロ」に対する社会・経済構造の転換に向けた予算では、脱炭素化に関する革新的な技術開発を支援する2兆円の基金を設けるほか、環境省と経済産業省は、電気自動車(EV)の普及を促すため、購入時の補助金を最大80万円に引き上げる。ただ、家庭や事務所の電気契約を再生可能エネルギーでつくった電気ですべて賄うように変更するなどの条件が付く。

2020年度内の開始を目指しており、20年度第3次補正予算に盛り込む関連予算の総額は80億円で、1万台分に相当するという。現在のEV補助金の上限は40万円だが、プラグインハイブリッド車(PHV)については、20万円から40万円にそれぞれ2倍に、燃料電池車(FCV)も補助上限額を225万円から250万円に引き上げるという。

日経によると、補助金は、自治体が独自に実施している補助事業との併用も可能で、EVの場合、東京都の補助金30万円と組み合わせれば最大110万円に達し、車種によってはEVの車両価格の3分の1程度で購入できる。

たとえば、10月末にホンダ初の本格EVとして発売した『ホンダe』の標準タイプの税込み価格は451万円だが、補助金を最大限利用すれば、340万円台。さらに、トヨタ自動車が先週webで発表した710万円の新型FCV『ミライ(MIRAI)』ならば、460万円で手に入れることが可能だ。政府のトラブル続きの観光支援策「Go Toトラベル」ではないが、ミライの補助は旅行代金と同じ約35%の還元率という“お買い得価格“、年が明ければ自動車ディーラーの店頭には「Go To脱炭素車」のキャンペーンが展開されそうだ。

2020年12月16日付

●3次補正案を決定、コロナ感染防止4.3兆円、総額15.4兆円(読売・1面)

●バイデン氏来月20日就任、米大統領、選挙人投票、当選確定景(読売・1面)

●菅内閣3か月「首相主導」に死角(読売・3面)

●EV購入補助最大80万円に(朝日・4面)

●GoTo停止、広がる打撃、宿泊キャンセル続々、減便の懸念(朝日・9面)

●新幹線にリモートワーク車両、JR東日本、実験へ(朝日・9面)

●GoTo旅行キャンセル補償50%政府事業者支援引き上げ(産経・1面)

●出光、東亜石油にTOB完全子会社化(日経・13面)

トヨタMIRAI新型(FCV)《写真撮影 雪岡直樹》 新幹線ワークプレイスイメージ《写真提供 東日本旅客鉄道》