2005、06年のF1王者で、来季21年はアルピーヌ(現ルノー)から自身3年ぶりにF1にレギュラー参戦するフェルナンド・アロンソが13日、今季型のルノーF1マシンでテスト走行に臨んだ。
テストの舞台はアロンソの母国スペイン、バルセロナのF1スペインGP開催コース。近代F1では“現役車”などでのテストが厳しく制限されており、「フィルミングデイ」と呼ばれるPR用の撮影を主な目的としてチームが許可されている日程を利用しての実施となった(距離制限等もあり、完全な意味でのテストとはいえない)。
アロンソはルノーの今季型F1マシン「R.S.20」での初走行に臨むこととなったわけだが、くしくもこのサーキットは20年前の2000年、翌01年に当時のミナルディ(現アルファタウリ)からF1デビューすることになるアロンソが、当時のベネトン、現在のルノーF1チームのマシンを初ドライブした場所だという。
「2000年のことを思い出すよ。ここバルセロナでベネトンをドライブしたんだ、“エンストン”のみんなと一緒にね。そして今、2020年。今度はルノーで一緒だ」とアロンソ。エンストンとは旧ベネトン、現ルノーの英国の本拠を指す地名である。
エンストンのF1チームはベネトン〜ルノー〜ロータス〜ルノーと変遷してきており、来季21年はアルピーヌの名になることが決定済み。なお、アロンソはエンストン(ルノー)で03〜06年と08〜09年にF1を戦っており、05年と06年には王座を獲得している(F1デビュー翌年の02年はルノーでテストドライバーを務めた)。
アロンソのF1レギュラー参戦はマクラーレン時代の18年シーズン以来3年ぶりとなる。ここ最近はルマンやダカールラリー、インディ500への参戦などマルチな活躍をしているアロンソ、現代F1マシンのドライブは19年4月のバーレーンでのテスト(マクラーレン)以来とのことだ。「すべてのことがとても速く“来る”し、ブレーキングを含めたF1マシンが発揮するあらゆるパフォーマンス、それらを再び感じられたことは素晴らしい」。
今回のテストの直前にあった今季第11戦アイフェルGP(ニュルブルクリンク)では、ルノーが16年シーズンにワークス参戦を再開してからは初めてとなる3位表彰台を獲得した。今季中盤、好調な走りを見せているルノーR.S.20を実際にドライブしたフィーリングを、アロンソは「いいサプライズだったよ」と評す。
「このところの(ルノーの)良いパフォーマンスは理解していたわけだけれども、グリップを実感することができたし、確かに良いポテンシャルがあることが感じられた。僕がルノー製のパワーユニットで最後に(F1の実戦を)走ったのは2018年(のマクラーレン時代)だけど、それが前進していることも感じられたからね。とても重要なことだと思う。まだ僕がスピードに対応してきれてはおらず、最大のパフォーマンスを引き出せてはいないけど、今日はハッピーだったよ」
“39歳の大物新人”アロンソの新たな船出となった21周は、実に意義深いものであったようだ。
来季21年、アルピーヌはシーズン中に40歳の誕生日(7月29日)を迎えるアロンソと、今季のルノーから残留するエステバン・オコンのコンビで戦う(アイフェルGPで3位のダニエル・リカルドは来季のマクラーレン移籍が決定済み)。
【F1】来季アルピーヌから復帰のアロンソ39歳、今季型ルノーをテスト…新人時代も思い出しつつ“好感触”
2020年10月14日(水) 17時15分
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