◆なぜターボエンジン車を推すのか
三菱『eKスペース』の自然吸気エンジンとターボエンジンを乗り比べての結論は、絶対にターボエンジンを買うべきだということだ。両者の違いはエンジンの性能で、ターボエンジンのほうがパワフル。たしかに街乗りでは自然吸気エンジンでも事足りるように感じるが、乗り比べるとターボエンジン搭載車のほうが断然運転しやすい。
アクセルを深く踏み込まないと速度が乗らない自然吸気エンジン(車体が重いので仕方がない面があるしライバルたちも基本的には同様)に対して、ターボエンジン搭載車は太いトルクを活かしてスイスイ加速。その違いはバイパスや高速道路での合流だけと思いきや、一般道で信号待ちから普通にスタートするだけでも意外に差があるのだ。だから、街乗りメインのユーザーにもターボ車をお勧めする。
◆高速巡航時での違いは
もちろん、高速道路の本線への合流ともなればターボ車が断然乗りやすい。しっかり速度を高めて本線へ合流できるターボ車は、合流も楽にこなせるようになるし、なにより本選を走るクルマに速度を合わせやすいので安全だ。
ただ、意外だったのは高速巡行時。100km/hで走っていても、強い加速さえしなければ自然吸気エンジンでも大きな不満は感じなかった。
とはいえ、車線変更で加速する必要が生じた時などは加速力があると楽なので、高速道路を使う人は必ずターボエンジンを選ぶべき。動力性能に余裕があることで加速時にエンジン回転が上がりにくいから、自然吸気車に比べてエンジン音が静かなのも見逃せないポイントだ。
◆ターボの価格はお買い得としか言いようがない
さて、こうして徹底したターボエンジン推しの理由の背景には、動力性能に加えて車両価格もある。
eKスペースを買うなら装備が充実した「G」(自然吸気エンジン)が欲しいところだが、ターボエンジンを組み合わせる「T」を選んでも「G」からの価格アップはわずか10万円にも満たない。しかもその価格にはエンジンのアップグレードに加えてアルミホイールの標準装備化まで含まれるのだから、価格設定はお買い得としか言いようがないのだ。
燃費を気にする人もいるかもしれないが、走行環境によってはターボエンジンのほうが優れた実燃費となる状況もある。
※5つ星評価はライバルに対してを想定したもの。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
工藤貴宏|モータージャーナリスト
小学校高学年から自動車雑誌を読みはじめ、1日でも早く運転したくて18歳誕生日の翌日には仮免許を取得したクルマ好き。大学在学中から自動車雑誌でアルバイトを始め、自動車専門誌編集部在籍後、編集プロダクションを経てフリーランスライターに。愛車はディーゼルエンジンのSUVと欧州ホットハッチ。
【三菱 eKスペース 新型試乗】絶対にターボエンジンを買うべき理由…工藤貴宏
2020年09月30日(水) 20時00分
関連ニュース
- 三菱自動車の出展テーマは「モータースポーツ」、篠塚建次郎氏を追悼…オートモビル カウンシル2024予定 (04月11日 07時30分)
- 三菱自動車と日産の軽EV、生産10万台を突破---eKクロスEV & サクラ (03月22日 14時00分)
- 三菱自動車、新型『トライトン』やそのカスタムなど7台を出展予定…東京オートサロン2024 (01月10日 07時15分)
- デリカD:5 に伝統の冬季特別仕様「シャモニー」発売、デリカミニにはオプションを設定…三菱自動車 (11月25日 09時30分)