全長4395mm。伸びやかに見えるデザインとは裏腹に、実際はきゅっとまとまったサイズである。全高は1540mmと、立体駐車場対応だ。SUV=大きい=使いにくそうという、運転苦手系な人が尻込みをしているとしたら、声を大きくして言おう。これ、街乗りで使えるSUVですよと。
都心部を視野の中心に据えたマツダ『CX-30』のインテリアは、黒を基調にした色気がある。このところのマツダは、外観だけでなく内装の雰囲気の出し方と使いやすさのバランスがとてもいい。
それよりもさらに評価したいのは、ドラポジのとりやすさ。SUVらしく座面が高くて見晴らしがいいことに加え、座った時にハンドルが無理なくくるっとまわせたり、ペダルの位置がしっくりきたりと、街中でちょこちょこ走る機会の多い人には本当にありがたい。
ただ、一度、エンジンをかけて走り始めると、一気にSUVらしいワイルド臭が香り立つ。
まず、音。今回のエンジンは、1.8リットルのディーゼルターボだったため、ディーゼル独特の音が車内に入り込む。そして振動。足を置いた床の下からアスファルト路面にある凹凸がリアルに伝わってくる。ワイルドな雰囲気むんむんである。
音と振動の車内への入り込みは、もう少し遮断して欲しかったなというのが正直なところ。だってこのスタイルとインテリアなんだもの。
とはいえ、ディーゼルエンジンのトルク感、ストレスのない加速感は、これまた代えがたい。街中でちょいっと加速したいときの気持ちよさといったらないのだ。ガソリンエンジンにして音の静かさをとるか、やんちゃな音はあきらめてこの加速っぷりをとるか、ものすごく悩むところ。罪作りなクルマである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。
【マツダ CX-30 新型試乗】これ、街乗りで使えるSUVですよ…岩貞るみこ
2020年03月21日(土) 08時00分
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