メルセデスベンツ A200d《撮影 中野英幸》

メルセデスベンツ『Aクラス』新型に突如モデル追加されたディーゼルの「A200d」。少し前の本国主催の国際試乗会でも発売がアナウンスされていなかった。メルセデス・ベンツ日本ですらも驚きの追加だったのだそうな。

で、そんな急転直下、パワートレインの仕上がりはどうかというと、急ごしらえ感のまったくない、「さすがメルセデスベンツ!」と思えるもの。

「A180」は、どちらかというとガソリンエンジンならではの鼻先の軽さを活かす、元気で飛び出るようなターボの急峻な膨らみが魅力。対して2.0リットル・ディーゼルターボのA200dはどっしり・しっとりの“オトナフィール”なのだ。

アクセルの踏み始めから緩やかにトルクが生まれて、じわっとパワーを出し、中〜高速のパワフルな加速につながり、低い回転数でクルーズしていく、というその加速感は、ドライバーを決して振り回さないから、コンパクトボディながら長距離でのドライブにも向きそう。

鼻先の重量から、接地もA200dのほうが手応えを感じる。重ったるい、ほどではないけれど、ガソリンモデルに比べるとすこしおっとりしているイメージだ。

だから、あなたがもし「メルセデスベンツ」というブランドらしい落ち着きをAクラスに求めるならばA200dを、Aクラスらしい元気なキビキビ感をクルマに求めるならばA180を検討するのが吉だとおもう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

今井優杏|モータージャーナリスト
レースクイーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリストに転向。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等でMCも務めている。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。日本カーオブザイヤー選考委員。

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