トヨタ カローラ 新型(ハイブリッド)《撮影 雪岡直樹》

◆丁寧な作りで居心地のよい室内空間


ボディサイズが3ナンバー枠になったことや、大きな台形フォルムのフロントグリルなどでガッシリと地面に踏ん張るようなデザインになったこともあり、新型『カローラ』はその12代にわたる長い歴史の中で、最も堂々とした存在感を手にしているというのが第一印象だ。

先にデビューしていた『カローラスポーツ』(ハッチバック)の出来栄えがとても良かったので、当然ながらセダン、ツーリングにも期待が高まる。

インテリアは驚くほどの上質感はないものの、丁寧な作りで使い勝手もよく考えられており、スペースもゆったりとして居心地のよい空間。シートのサイズも十分で、簡素な印象はまったくない。後席スペースも圧迫感がなく、くつろいで座れる空間となっているので、ファミリーユースやゲストを迎えるクルマとしても自信が持てそうだ。



◆つまらない車ではないと乗れば実感

1.8リットルのハイブリッドで走り出すと、発進直後からモーターアシストがしっかり入り、なめらかで余裕のある加速フィール。加速・減速の切り替え時にも絶妙な制御で違和感がなく、アクセルを踏み込むとモリモリとしたトルク感で素早く反応してくれる。

そして新開発プラットフォームの採用でアップした剛性感や、カローラスポーツでも好評だったサスペンション、パワーステアリングの制御を突き詰めたことなどにより、ブレのないハンドリング、しなやかなコーナリング、落ち着きのある乗り心地と文句なしの出来栄え。


このクラスのベンチマークと言われ続けているVW『ゴルフ』と比べても、決して引けを取らないほどで、もしかしたら日本人には新型カローラの方が好まれるかもしれないとさえ思った。

欲を言えば、乗るたびに心が踊るような、長く乗るほどに愛着が湧くような、遊び心や個性の演出がどこかにあれば、もっと魅力的なのに、とは思う。

それでも、どこを取っても80点のつまらないクルマではないことは、乗ればきっと実感できるのが新型カローラだと言える。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo)』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。 現在は雑誌、ウェブサイト、ラジオ、トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー(2005-2012等)選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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