初代アキュラ・インテグラ・タイプR のレーシングカーと市販モデル《photo by Acura》

ホンダの海外向け高級車ブランド、アキュラは10月22日、初代『インテグラ タイプR』(Acura Integra Type R)のレーシングカーを米国でフルレストアし、17年ぶりにレースに出走した、と発表した。

◆タイプRの第2弾として1995年に登場

「タイプR」は、ホンダがF1をはじめとするモータースポーツから得たノウハウを、市販車に注入して開発した高性能モデルだ。エアコンを廃止するなど、徹底した軽量化を図り、サスペンションなどの足回りも鍛え上げた。

タイプRが最初に登場したのは、今から27年前の1992年。初代『NSX』のタイプRが、第一号車となった。『NSXタイプR』は、故アイルトン・セナが、開発に参画したことでも知られる。

その後、1995年にインテグラ タイプR、1997年に『アコード タイプR』(欧州のみ)、同年に『シビック タイプR』と、車種ラインナップを拡大した。ホンダのスポーツイメージを象徴するモデルとして、ファンに支持されてきた。

◆米国仕様は丸目4灯

アキュラは今回、初代インテグラ タイプRのレーシングカーを、米国でフルレストアした。初代インテグラ タイプR は、米国では1997年にデビューした。ホンダブランドの日本仕様では角形ヘッドライトの後期型がベースだが、アキュラブランドの米国仕様では、前期型から一貫して採用されている丸目4灯モデルがベースとなる。

「B18C5」型1.8リットル直列4気筒ガソリンエンジンは、ハンドポートヘッド、薄型バルブ、専用バルブスプリング、強化コネクティングロッドなどを採用し、8400rpmのレッドラインまで一気に吹け上がった。また、ボディには追加でスポット溶接を行い、ストラットタワーバーも装備して、剛性を引き上げた。サスペンションとブレーキも、タイプR専用に強化されていた。

◆米国ツーリングカー選手権で輝かしい戦績

この初代インテグラ タイプRを擁し、1997〜2002年シーズンまでレースに参戦していたのが、米国ウィスコンシン州に本拠を置くリアルタイムレーシングだ。現在は、SROアメリカの「ブランパンGT Pro-Amチャンピオンシップ」に、アキュラ『NSX GT3 Evo』で参戦している。

リアルタイムレーシングは、当時の米国のツーリングカー選手権「SPEED」において、23レースで勝利し、5回のドライバーズチャンピオンに輝いた。また、1998年、1999年、2000年、2002年には、マニュファクチャラーズチャンピオンを4度獲得。この記録は、現在でも破られていないという。

◆市販車からの改造は最小限

初代インテグラ タイプRのレーシングカーには、レース仕様のスプリングとショックアブソーバーを装着し、ロールケージなどの安全装置を組み込んだ。内装材を取り去り、軽量化も図られた。トランスミッションは、市販車から変更されていない。

アキュラは、この初代インテグラ タイプRのレーシングカーを、2002年シーズンを最後にレースから引退して以来、17年を経てフルレストアした。ホワイトを基調に、オレンジを組み合わせた当時のボディカラーも、美しく再現している。

そして、ロードアメリカで開催された「ウェザーテック・インターナショナル・チャレンジ」の前座イベントとして行われたビンテージカーレースにおいて、リアルタイムレーシングを立ち上げたピーター・カニンガム氏が、2002年のツーリングカーレース以来、17年ぶりにドライブした。60台を超えるクラシックレーシングカーの中で、4位の成績を残している。エンジンは当時同様、9000rpmまで回った、としている。

初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》 初代アキュラ・インテグラ・タイプR の2001年モデル(参考画像)《photo by Acura》