メルセデスベンツ Aクラス 新型(A200d クリーンディーゼル搭載モデル)《撮影 中野英幸》

◆「ガソリン」と「ディーゼル」をたっぷりと試乗



新型『Aクラス』のディーゼルもガソリンもそれぞれ1週間ずつお借りして、たっぷりと試乗してみた。ディーゼルの技術は素晴らしい。環境面をしっかりと対策しながら力感はより進歩している。

特に低速域でのトルクがかなり盛られている。そのおかげでDCTの制御が追い付いていないのが気になった。段差などを歩くような速度で越えるときにアクセルの付きと加速が強すぎて、調整に神経を使う。

DCTのクラッチ制御がONかOFFかでトルコンのようなファジーな部分がない。これはガソリンでも似たような症状だが、ガソリンはトルクが低いので幾分まし。両モデルに共通するDCTの仕上がりの問題だろう。

◆走行中のロードノイズは大きめに思う



またコインパーキングから歩道をまたいで道路に出る際のよくある少し大きめの段差をゆっくり通過したとき、フロントオーバーハングの底がサスペンションのバウンシングでこすってしまうケースが頻発する。クリアランスなのか?ダンパー内のストッピングラバーなのか? 制御が必要と感じた。

走行中は特に高速道路などフロアーからのロードノイズが大きめだ。またクリアランスソナーが車両のほぼ全周をフォローしていて、狭い道路などでは有効だが個人的にピーピーうるさく感じた。車庫入れの際などはかなり気になる。と、かなり辛い意見。

◆メルセデスの「ACC」と「LKA」はやっぱりスゴイ!



しかし、ああやっぱりスゴイ!と思いわせるのはACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)とLKA(レーン・キーピング・アシスト)の制御。高速道路以外の比較的流れる一般道でも試したが、車線内をしっかり中央維持し、前車の速度変化にも機敏に反応する。

前車の加速に合わせるタイムラグもそれほどストレスにならず、車間は一番狭いスペースをチョイスすれば容易に割り込みをされない。使い勝手が実用的だ。そして高速域でのどこまでも真っ直ぐ走る安定性は高く評価できる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

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