保釈されたゴーン被告(4月25日) (c) Getty Images

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

会社法違反(特別背任)の罪で追起訴された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が4月25日深夜、東京拘置所から再び保釈された。裁判で刑罰が確定していないので“恩赦”とは言えないが、皇位継承に伴う「10連休」に入る平成から令和に替わる時代を越えての勾留生活だけは避けられたようだ。

きょうの朝日が1面トップで「ゴーン前会長再び保釈、妻との接触検束禁止」などと大きく報じているが、メディアの関心は社会面での「ゴーン被告今回はスーツ」(読売)というファッションのようだ。

3月6日の最初の保釈のときは作業員姿に変装していたが、今回はスーツ姿だったからだ。記事によると、ゴーン被告は午後10時20分ごろ、弁護団の高野隆弁護士に付き添われて出入り口に姿を現した。3月の保釈時は帽子にマスク、作業服に反射テープを付けて変装し世間を驚かせたが、今回は黒いスーツに白いシャツ姿。出迎えの車も、工事関係者を装ったような前回のスズキの軽ワゴン車と異なり、トヨタ自動車のミニバン『アルファード』だったという。

保釈のスタイルはともかく、保釈保証金は5億円で、前回の10億円と合わせて15億円。また、妻キャロルさんとの接触を原則禁止する異例の保釈条件が付けられたようだ。また、キャロルさんとの接触禁止以外は、海外渡航の禁止や携帯電話の使用制限など、前回に保釈が認められた時と同じ条件が付いたという。

こうした中、ゴーン被告の保釈以外の日産関連の記事としては、きょうの読売が「ルノー、西川氏続投拒否」とのタイトルで「仏ルノーが日産の西川廣人CEOに対し、経営統合に応じない場合、西川氏の続投を拒否する意向を伝えていたことが分かった」と報じている。

いよいよ明日から「10連休」に入るが、文字通り「平成」の最後まで気になるニュースは一連の「ゴーン事件」で幕を閉じる。さらに、新たに「令和」の時代を迎えても日産とルノーの経営統合をめぐる激しい駆け引きは続きそうだ。

2019年4月26日付

●ルノー、西川氏続投拒否、日産統合応じぬ場合(読売・1面)

●ゴーン被告再保釈(読売・1面)

●自動車世界販売大手3社が最高、18年度(朝日・8面)

●ソフトバンク「空白地」対策、成層圏に基地局(毎日・7面)

●池袋暴走母子死亡、ネットで「なぜ逮捕されぬ」警視庁「入院、逃亡恐れなし」(毎日・28面)

●日立、脱「製造業」へ決断、御三家日立化成売却へ(日経・15面)

●テスラ襲う成長痛、3四半期ぶり最終赤字(日経・17面)

●日野自、7%増益、前期純利益、アジア好調、期末15円に増配(日経・19面)

東京拘置所の取材陣(4月25日) (c) Getty Images 日野自動車 2019年3月期決算 説明会《撮影 小松哲也》