ZF ブース(上海モーターショー2019)《撮影 石川徹》

現在、中国では「新エネルギー車(NEV=New Energy Vehicle)」と呼ばれるEV、PHVおよびFCVの普及政策が採られている。そのため上海モーターショー2019では、日系自動車部品サプライヤーの多くが電動化に関する製品・技術展示に力を入れていた。

一方で世界の「メガサプライヤー」と呼ばれるドイツ勢は、中国においても安全、高効率および自動運転/ADASといった「メガトレンド」全てに対応可能な「統合システムサプライヤー」としての位置付けを明確にする戦略を打ち出しているのが印象的だった。

独ZFはこの上海モーターショーでも、コンベンショナルなコンポーネンツから最新の自動運転システムまで、非常に幅広い展示を行っている。ショックアブソーバーなどのシャシ部品、エアバッグやシートベルト・リトラクターといった安全装置、ステアリング、大型商用車向けのハイブリッドトランスミッションなどに加え、自動運転のレベル4にまで対応した同社の第4世代AIの「ZF ProAI RoboThink(プロエーアイ・ロボシンク)」やソリッドステートLiDARまで、まさに全方位的戦略が見て取れる。

そんな中、ZFが「ワールドプレミア(世界初披露)」として上海で大々的に発表したのは、より進化した部分自動運転を可能にした「ZF coPILOT(コ・パイロット= 副操縦士)」コンセプトカーだ。ジャガー・ランドローバー社とのコラボレーションを基に、同社の電気自動車ジャガー『I-PACE』をベースにZF製フロントレーダー1基、コーナーレーダー4基、フロント、リヤ、サイドミラーおよびインテリアに合計8基のカメラとZF ProAIを組み合わせて自動運転の「レベル2+」を実現したモデルである。現在普及しつつある自動車専用道路での車線維持や車間距離保持機能などのレベル2のADASに加え、高速道路への進入や追い越し、インターチェンジでの分流や一般道への流出などをドライバーの操作なしで可能にしている。

この「レベル2+」であれば、基本的に現行法規の範囲内での運用が可能なため、コスト面と量産の課題がクリアになれば一気に普及することが考えられる。ZFではco PILOTに搭載しているシステムの量産を2021年には始めると発表しており、担当者によれば既に複数の自動車メーカーとの商談を行っているとのことだ。具体的な答えは聞けなかったが、様々な情報から少なくとも5社が関心を寄せている印象で、その中にはco PILOT開発で提携したジャガーが含まれていると考えるのが自然だろう。

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