インフィニティ・プロジェクト・ブラックSプロトタイプ

◆インフィニティQ60がベース

日産自動車の海外向け高級車ブランド、インフィニティは9月27日、フランスで10月2日に開幕するパリモーターショー2018において、『プロジェクト・ブラックSプロトタイプ』(Infiniti Project Black S Prototype)を初公開すると発表した。

インフィニティは2017年春、スイスで開催されたジュネーブモーターショー2017において『プロジェクト・ブラックS』をワールドプレミア。同車は2016年1月、デトロイトモーターショー2016で発表された新型『Q60』(日本名:日産『スカイライン クーペ』後継車)をベースに、高性能モデルを提案したコンセプトカーだ。

パリモーターショー2018で初公開予定のプロジェクト ブラックSプロトタイプは、このプロジェクト ブラックSの進化バージョン。インフィニティは2021年以降、全ラインナップに電動パワートレイン車を設定する計画を掲げており、プロジェクト ブラックSプロトタイプは、インフィニティの今後のビジョンを明確に示す1台になる。

◆F1ハイブリッドをどう市販車に応用するか

プロジェクト・ブラックSプロトタイプのパワートレインは、引き続きハイブリッド。インフィニティとルノースポールF1チームが共同開発。F1マシンのデュアルハイブリッド電動パワートレイン技術を、いかにして市販車に応用できるかを提示する。

直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンには、独自のエネルギー回収システム「ERS」を採用。3つのモーター発電機ユニット(MGU)を搭載しており、ひとつのMGUは、ブレーキ時の運動エネルギーを回収。2個のターボチャージャーには、それぞれMGUが装備されており、排気ガスから熱エネルギーを回収する。これにより、パワートレインはブレーキと加速の両方において、電気を生成することができるという。

プロジェクト・ブラックSプロトタイプは、このデュアルハイブリッド電動パワートレイン技術によって、最大出力571psを獲得。ベースエンジンの405psを4割上回るパワーを発生する。動力性能は、0〜100km/h加速4.0秒以下のパフォーマンスを可能にした。

◆エアロダイナミクスもF1ゆずり

プロジェクト・ブラックSプロトタイプには、ルノースポールF1チームの持つエアロダイナミクス技術を導入。カーボンファイバー製のリアウィングは、ルノースポールF1マシンのモンツァウィングと同様の空力特性を備えており、サーキットなどでダウンフォースを生み出す設計。デジタルモデリング技術によって、ウィングの形状を細かくシミュレーション。これにより、直進時の安定性とコーナリング時の高いトラクション性能を追求した、としている。

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