スバルの吉永現社長

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2018年3月1日付

●裁量労働今国会は断念、政府働き方法案分離(読売・1面)

● 値上げの春、冷え込む家計(読売・2面)

●のぞみ台車製造時に削る、亀裂事故、JR西・東海に147台、川崎重工謝罪(朝日・17面)

●日産セレナに「eパワー」(朝日・11面)

●タカタの再生案、東京地裁に提出(朝日・11面)

●「東京」の顔市松キャラ(毎日・1面)

●公道で自動運転、日本郵便が実験、12日から(毎日・6面)

●リニア談合、大成元常務ら聴取、東京地裁、ゼネコン4社立件へ(産経・1面)

●フロントガラスに交通情報、軽自動車にも「HUD」広がる(産経・10面)

●VW、2万台リコール(産経・28面)

●「住みたい街」横浜1位に(東京・6面)

●スバル社長に中村氏、吉永氏は会長に、無資格検査受け(日経・1面)

●パーク24利益13%増、11〜1月最終、駐車場運営が拡大(日経・21面)

●給油所、値下げに慎重、需要減に採算重視(日経・27面)


ひとくちコメント

2017年秋に発覚した無資格者による完成検査問題で揺れるSUBARU(スバル)が、信頼回復をめざして経営体制を刷新するという。

今年の6月の株主総会後に、吉永泰之社長が代表権のある会長に就き、後任に中村知美専務執行役員が社長に昇格。6人の社内取締役のうち近藤潤会長ら3人が退任するという。

きょうの日経が1面に「スバル社長に中村氏」と報じたほか、企業総合面にも「不正検査、世代交代押す、経営体制一新前倒し」とのタイトルで解説記事を取り上げている。

日経によると「スバルでは17年10月、国内工場で資格を持たない検査員が完成車検査に携わっていた問題が発覚。同年12月には出荷前の車の燃費データを書き換えた疑いも明らかになり、調査を進めている。吉永氏は会長として引き続き不正の再発防止などに取り組む」と伝えている。

また、社長に就任する中村氏について、年齢は吉永社長よりも5歳下の58歳。1982年に慶大法学部を卒業後、富士重工業(現スバル)に入社。執行役員、常務執行役員を経て16年には専務執行役員に就任。「主に営業畑で世界販売台数の約6割を占める米国事業で実績を残した」としている。

振り返れば、無資格検査問題が発覚後の謝罪会見で吉永社長は「会社の中で起きたことは最終的には社長の責任だ」と発言していたが、6月以降は代表権のある会長に就任。しかも「昭和の面影」が濃いとされる近藤会長らは責任をとって退任するものの、吉永氏は引き続きCEO(最高経営責任者)に居座るという。

今回のスバル流「ケジメのつけ方」が今後の業績にどんな影響を与えるのかも興味深い。

(編集部注:スバルからの正式な発表はない)

日産セレナ e-POWER発表《撮影 高木啓》