高齢ドライバーと「危険運転」同一視は差別的で誤り、日本老年学会が提言[新聞ウォッチ] (写真はイメージ)《写真AC》

“御説ごもっともだ”としか、言いようがない提言だろう。日本老年学会が高齢者の自動車運転について、「認知機能や身体機能の衰えを定期的に把握し、運転継続が難しい場合は行政や地域からの適切な支援を受けつつ、中止する前に代替手段を検討すべきだ」などという提言を盛り込んだ報告書を公表したという。

きょうの日経が社会面に「高齢ドライバーの運転、中止前に『代替手段検討を』」というタイトルで取り上げている。

その報告書によると、高齢運転者は視機能、認知機能、身体機能の低下から運転技能が低下することがあり「死亡事故などを起こす危険性が高い状況にある」としつつ「免許更新の際などに適切な運転技能の判定が必要だ」と指摘。

一方、「運転を中止した高齢者は、継続した高齢者と比べて要介護状態になるリスクが高く、運転中止前に、自身で運転する以外の代替手段を検討すべきだ」と提言している。

同学会の荒井秀典・学会理事長は、高齢者の運転技能は多様だとし「高齢運転者と危険運転者を同一視するような差別的なイメージは誤り。社会全体で多面的な取り組みを推進する必要がある」と強調。その上で「ゼロリスクにできる限り近づけるにはどうすべきか、科学的に示したい」とも述べたという。

また、先週、日本自動車工業会が発表した2023年度に実施した「乗用車市場動向調査」でも「高齢運転者の買い替え中止予定や自主返納制度利用意向は減少し、運転中止年齢も高齢化傾向にある」との結果も明らかになった。加えて「身体的衰えを『先進安全技術』でカバーし、運転を継続したい」と考えている高齢者が多いこともわかったそうだが、ゼロリスクに近づけるのは“永遠のテーマ”なのかも…。

2024年4月22日付

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