ランボルギーニ ウラカン ペルフォマンテ 富士スピードウェイ試乗(ランボルギーニ アカデミア)

新型車開発の聖地、とされるドイツ・ニュルブルクリンク北コース(1周約21kmの山岳サーキット)。そこでロードカーとして過去最速タイムを記録したのがこの、ランボルギーニ『ウラカン ペルフォルマンテ』。

どこが優れていて何故に速いのか、一般ユーザーにそれがどれほどの恩恵になるのだろうか?もちろん、ウラカンのようなスーパースポーツカーにとって、速いと言う事はとても重要な要素だ。が、“ニュルのように”(筆者は2012年から24時間レースに参加)激しいアップダウンや低速から超高速のコーナリングに、路面の凹凸やうねり、捻れた道路を速く走れるということは、純粋にサーキットを速く走る事とは別の、ロードカーとして重要な、乗り味の良さも含むオールマイティな性能も要求される。

と、まあ判ったような判らないようなコメントだが、要はこのスーパーなクラスにも関わらず、操縦する事に癖がなく、640hpの大パワー、600Nmの大トルクにも関わらずそれを扱いやすく引き出せるシャーシ、ハンドリング性能、駆動力配分、ステアリング、トランスミッション、それらをまとめて操作系が操作した事を自然にクルマに伝え、クルマもそのように自然に応答するからだ、ということが理解できた。

搭載するV10エンジンは直列5気筒が並列に並ぶ(少しずれるが)二重奏で、なんとも言えぬくぐもった魅惑のサウンドを奏でる。

アクセルペダルを踏み込む。瞬時に“ワッ!!”とフケあがり、ストンと回転落ち。その切れ味の鋭さはまさにレーシングエンジンそのものだ。

ミドシップレイアウト故に、そのV10サウンドに背後からドライバーは包み込まれながら操縦すると、「まあ、なんて自分の運転て上手だったのか!!」と思わずにはいられないほど、思い描き狙った通り、操作に対して素直に忠実に加速し、曲がり、止まる。

さらに、ステアリング操作に逆方向の動きが入らない。それはつまり修正舵なのだが、640hp/600Nmをフルに引き出しながら富士スピードウェイのヘアピンを立ち上がるシーンでは、ヘアピンに向けて左にステア操作しながら旋回し、同時にアクセルべた踏みでフル加速しながら300Rを5速240km/hまで加速しつつ、念のために早めのブレーキング。タイムアタックなら文句無く6速まで入れるシーンだ。

低〜中速コーナーからの立ち上がりや旋回中もそうだが、アクセルを踏み込む事に躊躇しない。ガバッと床まで全開にするとオートロック式リアデファレンシャルがリアタイヤを横に逃がさず、前後で最適な駆動配分により路面を蹴る。

ステアリング特性を詳しく言えばコーナー立ち上がりでアクセルを早く踏み込むと、アンダーステア方向に軽く前輪は逃げる。

ソレを感じたら次のコーナーでは踏み込むタイミング少々遅らせるだけで、姿勢は思いどおりに。ウラカン ペルフォルマンテ専用に開発されたタイヤ、ピレリPゼロコルサの縦横斜め、どの方向にも撓み、逃げのない剛性の高さとグリップ力そのものに負うところは多い。

富士スピードウェイのように高速コーナリングが体感できるからこそ判るのは、エアロダイナミクス、イタリア語で翼を意味する「ALA=エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ」が、前後のフラップにより空気の流れをコントロールして車体を路面に押さえ付ける下向きの力を発生。サスペンションやタイヤのグリップ力だけではない、走行風、空気の力によるクルマの姿勢安定性の高さは、まさにALAの威力だった。

サーキット走行に心得のある方なら、このクルマの深化に呆れると思う。レーシングスリックタイヤでも履いているかのような安心のグリップ力で路面を捉え、アクセルもブレーキもステアリングも思いきって操作できる痛快観!!コレは癖になること間違い無し。

因みに富士の最高速は290km/hに。ソレは余裕を持ってブレーキングを開始するからで、まだまだ加速の途中。0-100km/hは2.9秒!!ブレーキ力は100km/hから31mで停止。アベンタドールSと同様、目から鱗の連続でした。


桂 伸一|モータージャーナリスト/レーシングドライバー
1982年より自動車雑誌編集部にてレポーター活動を開始。幼少期から憧れだったレース活動を編集部時代に開始、「走れて」「書ける」はもちろんのこと、 読者目線で見た誰にでも判りやすいレポートを心掛けている。レーサーとしての活動は自動車開発の聖地、ニュルブルクリンク24時間レースにアストンマー ティン・ワークスから参戦。08年クラス優勝、09年クラス2位。11年クラス5位、13年は世界初の水素/ガソリンハイブリッドでクラス優勝。15年は、限定100台のGT12で出場するも初のリタイア。と、年一レーサー業も続行中。

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