出光興産(イメージ)

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年6月6日付

●高速IC民間資金で、遊園地、商業施設と直結、国交省が新制度(読売・1面)

●日産が三菱車用ローン提供(読売・8面)

●出光創業家再び社長人事反対へ、株主総会(朝日・7面)

●パナ、「創エネ」企業宣言、50年までに消費上回る生産目指す(朝日・9面)

●物流鉄道シフト加速、トラック運転手、不足深刻化(毎日・6面)

●自動運転技術を新モデルに搭載、スバル「レヴォーグ」(毎日・7面)

●国産F35初号機公開(産経・1面)

●佐川が週3日制、運転手確保、兼業も容認(日経・1面)

●サウジなど、カタールと断交、日本のエネ調達に影(日経・3面)

●中国、新エネ車規制延期へ、販売義務付け、19年で調整、メーカー対応に猶予(日経・9面)

●トヨタ、中国で9.6%増、5月新車販売、日産は5.7%増(日経・15面)


ひとくちコメント

マジメにコツコツと働く社員の中には「いい加減にしてほしい」と思っている人も少なくないだろう。石油元売り大手の昭和シェル石油との合併に反対している出光興産の創業家が、6月29日に開かれる出光の株主総会で、合併を進める月岡隆社長ら5人の経営陣の再任に反対する方針を表明したという。

出光創業家の出光昭介名誉会長らの代理人が記者会見して発表したもので、きょうの各紙も「出光創業家『役員案反対』昭和シェルと合併拒否総会で表明へ」(毎日)や「統合案停滞見えぬ出口」(日経)などと、経営陣と創業家の対立に解決の糸口が見えない状態が続いていることを伝えている。

出光の大株主である創業家は、1年前の株主総会で昭和シェルとの合併への反対を表明し、この4月に予定されていた合併は延期された。経営陣は合併より先に事業面で提携し、相乗効果を示すことで創業家などから合併への理解を得たい考えを提案しているものの、今回の株主総会でも合併に反対し、現経営陣の再任にも反対する考えを明らかにしている。

創業家が取締役の選任に反対するのは昨年の株主総会に続いて2年連続。日経は「出光の業績は原油高を追い風に急回復し株価もほぼ2倍に上昇したが、2年目も出口の見えない膠着状態が続く」と取り上げている。

創業家もいろいろである。出光家と同じ九州の福岡県出身のブリヂストンの創業家は「君臨すれども統治せず」というポリシーで間接統治型ガバナンスを実現した。創業者の石橋正二郎氏は「単に営利を主眼とする事業は、必ず永続性なく滅亡するものである」とも言い切っている。企業ばかりでなく、人間同士でも周囲への気配りを無視して自分だけの利益を優先して身勝手に振る舞う人は自滅する例も少なくない。