
ホンダの4連覇となり、通算31勝を達成した今年の「鈴鹿8耐」(2025 FIM世界耐久選手権コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会)。強いのはレースだけでなく、GPスクエアに設けられた特設ブースでも人気が高かった。
バイクファンからひときわ高い熱視線を浴びたのが、市販化に期待がかかるニューモデル『CB1000F』と『CB1000F SE』だ。鈴鹿8耐で展示されることが予告され、土曜日におこなわれた前夜祭では『CB1000F』の走行シーンも披露された。レースはもちろん「コイツを見に来た」という声も耳にするほど、いま注目されている。
◆熱き新型のエンジン始動が許された!!『CB1000F』が初公開されたのは、今年3月に開催された大阪&東京モーターサイクルショーでのこと。往年の名車『CB750F』や、その輸出仕様『CB900F』のデザインをモチーフとしていることから、すぐに話題沸騰、瞬く間に大人気となった。
正式にはまだ「コンセプト」と車名の末尾につくものの、モーターサイクルショーでは備わっていなかったウインカーやナンバープレートホルダーが装着され、販売開始が間近に迫っているのが見てわかる。
さらにヘッドライトカウルを採用したバリエーションモデル『CB1000F SE』も登場したから、ブースに押しかけたファンが沸く。しかも、跨り試乗だけでなく「エンジン始動体験」もおこなうなど大盤振る舞い。初日から長蛇の列ができる人気となっていた。
そんな熱き新型に、筆者(青木タカオ)も跨って、エンジン始動を試すことができた!
◆図太いトルクを感じる重低音サウンドオーソドックスな丸目ヘッドライトは、先進的なLED発光ユニットが上下2段に組み込まれ、ロービームだと上、ハイビームでは上下が点灯する。
そして、5インチのTFTカラーディスプレイには、ホワイトの背景色にタコメーターを半円のサークルタイプに示すメーターパネルが鮮やかに映し出された。背景色を黒に切り替えたり、エンジン回転数をバータイプで示したり、シンプルにスピード表示を大きくするなどできるはずだ。
ベース車両は『CB1000 ホーネット』で、メーターや十字セレクトキーといったスイッチ類が踏襲されていることが確認できる。MODEボタンによって、ライディングモードが選択できるのも変わらないはずだ。
ブラック仕上げのハンドルバーは幅が広めで、アップライトな堂々たるライディングポジションを決定づけている。角が張り、真ん中のコンソール部が盛り上がったタンクデザインは『CB750F』を彷彿とさせるもので、弧を描くラインは上から見てもなんとも美しい。ダウンドラフト吸気を採用しているため、タンクの絞り込みは少なくニーグリップがしやすいことも報告しておこう。
さぁ、エンジンを始動しよう。スチール製ツインスパーフレームに、排気量999ccの並列4気筒エンジンが搭載されている。スーパースポーツCBR1000RR(SC77/2017年式)譲りの直4パワーユニットは152PSを発揮する。
右手の動きと連動するかのようにシャープな吹け上がりで、スロットルレスポンスに鋭い。専用のメガホンタイプマフラーはサウンドチューニングが施され、図太いトルクを感じる重低音サウンドをアイドリングから奏でている。アクセルを大きく開ければ、直4ならではの胸のすくサウンドが味わえることも感じられた。
◆ライバルは『Z900RS』だ!!続いて『CB1000F SE』にも跨って、エンジンを始動。シート高は810mm程度だと聞く。身長175cmの筆者の場合、両車とも足つき性に不安はない。
SEはヘッドライトカウルを備えているだけでなく、クイックシフターが追加装備されている。車体をじっくり見ると、ラジエターガードやグリップヒーターも備わっているが、これらをSEでは標準装備するのか、純正アクセサリーアクセサリー扱いなのかは、現時点では明確にされていない。
900 SUPER4 “Z1”をオマージュしたカワサキ『Z900RS』がセールス好調を続けているが、ホンダは伝統の“CB-F”をイメージした『CB1000F』および『CB1000F SE』で真っ向勝負に出る。
価格や発売時期については未発表のままだが、ファンの期待は高まるばかりだ!!


















