
1月10日から1月12日に幕張メッセで開催された「東京オートサロン2025」で、毎年プロ顔負けの多彩なカスタムカーを披露している自動車大学校が、今年も面白いカスタムカーを多く展示していた。学生ならではの発想や大胆なカスタムに、来場者から大きな注目を集めていた。そんな学生たちが作り上げているカスタムカーたちをいくつか紹介したい。
◆NATSはド派手はゴールドのジムニー!「NATS SAMURAI」
NATS 日本自動車大学校からは、卒業作品として多くのカスタムカーが展示されたほか、フォーミュラビートや学生フォーミュラに向け作り上げられたフォーミュラカーなども展示されていた。
ひと際目を注目を集めていたのは、「NATS SAMURAI」と題されたド派手なゴールドのスズキ「ジムニー」ベースのローライダー。ハイドロリックサスペンションやワイヤーホイール、コンチキットなどで元がジムニーとは想像できないクラシカルで車高の低い車両になっている。また、トレーラーが取り付けられ、これまたド派手なカスタムバイクが搭載されていて、コンセプトである多様性というキーワードが光っていた。
他にも、「スバル360」のレストアやフォーミュラカーが印象的だった。
◆埼玉自動車大学校は本気仕様の「ミクチーノ」
埼玉自動車大学校からは、グッドスマイルレーシングの初音ミクGTプロジェクトのメルセデスをほぼ再現したといっても過言ではない、スズキ「カプチーノ」ベースの「ミクチーノ」が展示されていた。
ベースのカプチーノのボディからフルレストアが行われ、なんとエンジンやデフなどもオーバーホールされているという本気仕様。ラッピングが施された車両はまさに「グッドスマイル 初音ミク AMG」のカラーリングそのもので、レーシングカーとして大変身を果たしていた。
◆日産京都自動車大学校は「NEO skyline」とZワゴン!
日産学園の日産京都自動車大学校からは、日産「スカイライン(V35)」を新規造形で作成したケンメリでお馴染みの4代目「スカイライン(C110)」を現代風に復活させた「NEO skyline」と、日産「フェアレディZ(RZ34)」を日産「ステージア(M35)」と合体させることで、スポーツワゴンとなった「Z Lealia」が展示されていた。
「NEO skyline」はスカイラインのパーツの流用などはせず、実際に鉄板加工を行い、ケンメリのサーフラインなどが高いクオリティで再現されていた。また、「フェアレディZ(RZ34)」はもはや純正にありそうというレベルでボディのカット、接合技術が優れており、室内空間の作りや塗装なども見事で多くの人が関心を寄せていた。
◆国際情報工科自動車大学校はCX-5を「787B」カラーで魔改造
国際情報工科自動車大学校からは、マツダ『CX-5』に魔改造を施し、SUVをNASCAR仕様のピックアップトラックに仕上げた「WiZ CONCEPT XIX CX-Vision」が展示されていた。マツダはNASCARへの参戦がなく、もし参戦したとしたらこうなるというものを構想として最初に考えたそうだ。
カラーリングにこだわりがあるそうで、伝説のレーシングカー「787B」をモチーフとしている。グリーンのキャンディー塗装は垂れてしまうと後戻りできないない難易度の高い塗装で、この艶を出すのに苦労したそうだ。ボディ成形などもこだわりがあり、後部は元車両にない部分のため一から作り上げたそうだ。
◆ワゴンとセダンを切り替え可能に、東京自動車大学校「W124 Racing VIP」
東京自動車大学校からは、メルセデスベンツ「W124 230E」を改造し、見た目が強烈な印象を与える「W124 Racing VIP」が展示された。フロントやリアには大型で派手な手作りのエアロが取り付けられ、純正車高とは思えないスタイリングに仕上げた。リアハッチの付け替えが可能で、ワゴンとセダンを切り替えでき、サーキット走行も楽しめる車になってるという。
◆ジャガー「XJ」をインパラに、群馬自動車大学校の「ネオパラ」
群馬自動車大学校からは、ジャガー「XJ」を1990年代にアメリカで人気を博したシェルビー「インパラ」をモチーフに大胆、ビッグボディで作り上げた「NEOPARA」が展示された。ただ古い車を復活させるのではなく、現代的な要素を取り入れながら作ったところにこだわりが見える。ダッシュボードなどは自作で、オリジナルのインテリアでもクオリティが高く、ワイドなボディとのバランスを損なっていなかった。
◆日産マーチがポルシェに? 筑波研究学園専門学校「MARCH 718 Speed Ster」
最後は、筑波研究学園専門学校から、日産「マーチ(K11)」をベースにマーチベースからは想像できないポルシェのルックスに変化した「MARCH 718 Speed Ster」が展示されていた。半年ほどの製作期間をかけて作ったそうで、特にこだわりがあるのはボディの局面だそうだ。曲げ加工や研磨加工の制度がかなり高く、元々ポルシェの車でしたと言われても違和感がない。内装などもきれいに仕上げられ細かな工夫が多くみられた。
いかがだっただろうか。日本を代表するカスタムのプロが集う東京オートサロンの中でも引けを取らない学生たちのカスタムカーが多く展示されていた。将来の自動車業界を担う若者たちが作り上げた作品は今後も目が離せない。
今回は紹介しきれなかったが、他にも関東工業自動車大学校やトヨタ東京自動車大学校、静岡工科自動車大学校、花壇自動車大学校など、たくさんの自動車大学校が素晴らしいカスタムカーを展示していた。

































































