日産自動車本社《写真撮影 高木啓》

日産自動車が、自動車部品を製造する下請け業者に対して納入代金を支払う際、事前に取り決めた金額から一方的に引き下げたとして、公正取引委員会が近く、下請法違反(減額の禁止)を認定し、再発防止などを求める勧告を行う方針を固めたという。

◆30社以上に約30億円
きょうの読売が1面トップで「日産下請けに減額強要」とのタイトルで報じている。それによると、違法な減額は過去数年間で30社以上に対して計約30億円に上り、下請け業者に対して事前に取り決めた金額から支払い分を数%減らしていたとしている。減額率は日産側が一方的に決め、10億円超を減額された業者もあったそうだ。

また、日産は前年度の納入価格を基に減額割合の目標値を設定し、目標の達成状況もチェックしていたとされ、コストダウンによる収益の向上が目的だったとみられる。不当な減額は数十年にわたって続いていた可能性もあるようで「業者側は取引の打ち切りを恐れ、減額を拒否できなかった」とも伝えている。

日産は読売の取材には「事実関係の詳細を確認中だ」としているが、日産側は違反を認め、すでに業者側に減額分を支払ったとも報じている。

◆経済産業省・中小企業庁のキャンペーン
きょうの日経には、経済産業省・中小企業庁のキャンペーン広告を掲載。米大リーグや巨人で活躍した上原浩治投手をモデルに「万全の準備が、価格転嫁を成功に導く。」のキャッチコピーとともに「下請けいじめに悩んでいるなら、まずご相談を」として、「下請かけこみ寺」の連絡先や「下請Gメン」「適正取引講習会」の案内などを紹介。偶然なのかどうかは定かではないが、公取委が「『下請けいじめ』には厳正に対処する」として、日産をターゲットとした読売の1面トップ記事との“合わせ技”とも勘ぐることも……。

2024年3月4日付

●日産下請けに減額強要、部品30社へ30億円、公取委、違反認定勧告へ(読売・1面)

●米市場 EV販売失速、HV評価、トヨタがテスラ逆転(読売・4面)

●EVシフト変調、鈍る成長欧米は戦略修正、HV支持日本に追い風(産経・3面)

●都心3万6965人力走、東京マラソン(東京・1面)

●熊本が映す半導体のリアル、日本に吹き始めた追い風(日経・8面)

●社長の不祥事どう止める、女性関連で相次ぐENEOSやタムロン(日経・16面)

トヨタ・プリウス(北米仕様ハイブリッド)《photo by Toyota》 東京マラソン2024《Photo by David Mareuil/Anadolu/ゲッティイメージズ》