ランチア・テーマ(1992年)《photo by Lancia》

ステランティス傘下のイタリアンブランド、ランチアは10月19日、新型フラッグシップの開発計画を明らかにした。発売は2026年を予定しており、ブランド復活のために重要な車種になる。

新型フラッグシップはフル電気自動車(BEV)だ。ステランティスの「STLAミディアム」プラットフォーム上に設計され、全長は約4.7m、ファストバック型ボディを持つ。イタリアのメルフィ工場で製造される。

ランチアのルカ・ナポリターノCEOは新型フラッグシップについて、「外観も内装も美しいイタリア製の車で、イタリアの家のリビングにいるような感覚を味わえる。イタリアの精神をヨーロッパ中に広め、販売台数の約50%はイタリア外での販売を見込んでいる」と説明する。

またSTLAミディアムプラットフォームについてナポリターノCEOは、ランチアにとって最適な設計だと評価する。「ネイティブBEVプラットフォームとして、快適で効率的だ。前輪駆動と四輪駆動の両方の設計を選べる。このプラットフォームによって、新型フラッグシップの総合的なパフォーマンスは最高レベルになる。航続距離は700km以上を実現する」と述べている。航続700km以上は、クラス最高の距離になるだろう。

STLAミディアムプラットフォームは、ステランティスのグローバルBEVプラットフォームとして開発された。このプラットフォームは、航続距離、充電時間、性能、効率、運転の楽しさといった、顧客が重視する点で最高クラスの性能を発揮する、とステランティスでは自負している。

現在ランチアが販売している車種はコンパクトカーの『イプシロン』だけだ。しかしランチアには今後10年間の“ルネッサンス”戦略があり、2年ごとに新製品を1つずつ発表する計画だ。2024年にはハイブリッドと電気自動車の両方で『イプシロン』新型を、2026年にはフル電気自動車の新型フラッグシップを、2028年には同じくフル電気自動車の『デルタ』新型を発表する。ランチアの電化戦略は、2026年からはラインナップの全車種を電気自動車にし、2028年からは電気自動車のみを販売するというものだ。

新型フラッグシップを生産するメルフィ工場は、次世代の電気自動車を製造するための拠点の一つだ。この工場は、2038年までにカーボン排出量をゼロにするという、ステランティスの「Dare Forward 2030」戦略計画の一部となっている。

ランチア・カッパ(1998年)《photo by Lancia》 ランチア・テージス(2008年)《photo by Lancia》 ランチア・テーマ(2011年)《photo by Lancia》 ステランティス「STLAミディアム」プラットフォーム《image by Stellantis》 ステランティス「STLAミディアム」プラットフォーム《image by Stellantis》 ランチア・デルタ2014年型《photo by Lancia》 ランチア・デルタ2014年型《photo by Lancia》 ランチア・イプシロン2023年型《photo by Lancia》 ランチア・イプシロン2023年型《photo by Lancia》 ランチア・イプシロン2023年型《photo by Lancia》 ナポリターノCEO《photo by Lancia》