トヨタ GR スープラ GT4 100エディション《photo by Toyota》

トヨタ自動車(Toyota)の欧州部門は9月6日、レーシングカーの「GRスープラGT4」の納車が100台に到達したことを記念して、サーキット専用車の「100エディション」を3台生産すると発表した。


◆大型ボンネットベントや新開発ダイブプレーンフロントエアロを採用
3台の「GRスープラGT4 100エディション」は、欧州、北米、アジアに各1台、配車される予定だ。レーシングカーとは異なり、GT4ホモロゲーションを取得していないため、レースには出場できないサーキット専用車になる。

コレクター向けの100エディションは、プラズマオレンジのボディカラーだけでなく、大型ボンネットベントやダウンフォースを向上させる新開発ダイブプレーンフロントエアロなどが特長になる。

また、3.0リットル直列6気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力450psの『GRスープラGT4 EVO』がベースだ。サウンドを増幅させるために、新しいエグゾーストシステムを装備した。エンジンの出力を制御するUSBパワースティックは、ボディ同色のプラズマオレンジ仕上げとした。

さらに、カーボンファイバー製ドアミラー、耐久レース仕様のLEDヘッドライトや助手席シートなど、専用の装備が盛り込まれている。シートには「100 Edition」のロゴが刺繍され、ダッシュボードには専用エンブレムが取り付けられた。価格は22万ユーロ(約3460万円)だ。

◆2020年シーズンの実戦デビューから日米欧で通算100回を超える表彰台を獲得
GRスープラGT4は、『GRスープラ』をベースに、ドイツに本拠を置くトヨタモータースポーツが開発し、生産しているレーシングカーだ。「GT4」は、低コストで気軽に参戦しやすいカテゴリーのモータースポーツとして、世界中のプライベートチームに人気を博している。

GR スープラ GT4は、米国のミシュランパイロットチャレンジシリーズ、欧州のGT4欧州シリーズやVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)など、世界中のさまざまなレースに参戦することができる。2020年シーズンの実戦デビュー以来、これまでに日米欧で通算100回を超える表彰台を獲得している。

GRスープラ GT4では、ラベノール(Ravenol)、ピレリ、アクラポヴィッチ(Akrapovic)社を、技術パートナーに起用した。ドイツのラヴェンスベルガー・シュミエルシュトフ・フェアトリーブ社が開発・製造する潤滑油ブランドがラベノールだ。GRスープラ GT4の出荷時には、ラベノール製オイルが充填される。アクラポヴィッチは、モータースポーツ専用エギゾーストシステムを手がけた。

◆車両重量は1350kgに軽量化
GRスープラ GT4では、フロントスポイラーとリアウイングには天然繊維コンポジットを使用するなどして、車両重量を1350kgに軽量化した。市販車の1520kgよりも、170kg軽い。ボディサイズは全長4460mm、全幅1855mm、全高1250mmとなる。

インテリアには、カーボンファイバー製インストルメントパネルを採用し、レース用のステアリングホイールと8インチディスプレイを導入した。データロギングシステムも標準装備する。軽量スチールボディには、レースでの安全性を確保するため、FIA(国際自動車連盟)規則に準拠した高剛性ロールケージを装着し、OMP製のレーシングバケットシートと6点式シートベルト、消火器、エアジャッキを組み込む。リアビューカメラ、タイヤ空気圧センサー、サスペンションセンサー、点灯式カーナンバー、ドリンクシステム、認定耐久パッケージも、オプションで選択できる。

サスペンションは市販車のGRスープラと同様に、フロントにマクファーソンストラット、リアにマルチリンクを採用したうえで、レース用のKW(カーヴェー)製調整式ダンパーを装着する。ブレーキシステムには、レースにおいて充分な性能を確保するために、フロントに6ポット、リアに4ポットのレース用ブレンボ製キャリパーを採用した。ローター径は、フロント390mm、リア355mmだ。タイヤはピレリ製の18インチで、サイズはフロントが305/660-18、リアが305/660-18とした。OZ製の18インチホイールを装着している。

◆最新の「EVO」は足回りやエンジンを強化
GRスープラGT4は2022年10月、ブレーキ、ハンドリング、エンジン性能を向上させたGRスープラGT4 EVOに進化した。GRスープラGT4で参戦するレーシングチームやドライバーから直接得たフィードバックと、さらに詳細な評価結果に基づき、ブレーキ、ハンドリング、エンジンの3つのポイントに重点を置いて、GRスープラGT4 EVOは開発された。

ブレーキ部品の改良と、ABSセッティングの変更、KW社の最新技術により最適化されたショックアブソーバーとスタビライザーバーの仕様や特性見直しにより、ハンドリングとコーナリング速度を高めた。

3.0リットル直列6気筒ガソリンターボエンジンは、冷却効率の向上などにより、最大出力を430hpから450hpに向上。エンジン回転数に応じたスムーズなトルク発生カーブを実現している。SRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)による性能調整(バランス・オブ・パフォーマンス)は、USBパワースティックで行う。パドルシフト付きの7速ATと機械式LSDを組み合わせている。

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