三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》

今回のワンポイント確認は、「デリカミニを選ぶ理由はあるか」である。

モノを買うには理由がいる。まわりの人に説明する理由もさることながら、自分自身が納得する理由もいる。高い商品であるクルマならばなおさらだ。数ある軽自動車ラインナップのなかで、では、『デリカミニ』を選ぶ理由はあるのか。

先に結論を言おう。ある。「だってデリカじゃ大きすぎて手がでないけれど、ミニならかわいいんだもん」である。

◆人もクルマも見た目が9割
どれほどの人が、デリカミニの登場を待っていたことだろう。期待通り、デリカミニは甘すぎない可愛さとやんちゃ感のあるデザインで登場した。ザ・アウトドアのコンセプトもいい。人もクルマも見た目が9割。特に小さいものへの庇護欲のまざった所有欲をかきたてる可愛さはぐっとくる。

運転席は座面位置が高く、見晴らしがいい。ターボエンジンは走り出しが軽く、すっと速度を上げていく。背は1830mm(4WD)と高いけれど、右へ左へとあるコーナーも、頭の位置がひっぱられることなくこなしてくれる。

ただ、調子に乗って遠出をすると、ガソリンタンクが27リットルということを突き付けられる。250kmほど走ってふと残量表示を見ると半分を大きくきっているのだ(走り方による)。軽自動車ユーザーならばこのあたりの感覚は百も承知なのだろうが、乗用車から乗り換える人は給油ポイントに注意していただきたい。

◆人生に、遊びの時間を作らなくてどうするんだ
ガラス面が広くて明るい車内。インパネまわりは上質感のある仕立てでほっとする。すっと手を伸ばしたところには、スマホやアウトドア&子ども連れを想定した小物入れがそこかしこにあり使いやすい。工夫をこらした位置と大きさは、そうとう検討して決めていったと思われる。

後席は、前後に320mmスライドすることができ、一番後ろにしておくと置いたカバンは運転席から手が届かないほど遠くなって慌てるくらいびっくりする。もちろん後席に座るときは脚が組めるくらい広いのだ。

結論。

「デリカミニを選ぶ理由はあるか」は、人生に、遊びの時間を作らなくてどうするんだと背中を押してくれるそのデザインと車内空間は、選ぶ理由ありありである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 中野英幸》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 中野英幸》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ《写真撮影 雪岡直樹》 三菱 デリカミニ(左)とデリカD:5(右)《写真撮影 中野英幸》