アルピーヌ A110 E-TERNITE《photo by ALPINE》

アルピーヌ(Alpine)は6月28日、2ドア2シータークーペ『A110』をベースにしたEVプロトタイプ『A110 E-TERNITE』を7月13日、英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」に出展すると発表した。

◆A110後継EVの開発における象徴的な存在
A110 E-TERNITEは、パワートレインを電動化する次期アルピーヌA110の開発における象徴的な存在になる。アルピーヌの市販モデル、ルノーのスポーツカー、ルノースポールレーシングの現在の活動は順次、アルピーヌブランドの下で統合される。アルピーヌは、目の肥えた顧客向けの新世代の自動車ブランドになるという。

アルピーヌはまた、ルノーグループとルノー日産三菱アライアンスの規模とノウハウを活用する。これには、ルノー日産三菱アライアンスのEVプラットフォームのテクノロジー、グローバルな生産施設、最適なコスト競争力を確保する購買部門、グローバルな流通ネットワークなどが含まれる。目標は、モータースポーツへの投資を含めて、2025年に利益を上げることだという。

アルピーヌブランドは、A110に続く新型車の開発にも乗り出している。アルピーヌの具体的な新型車としては、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF-B EV」プラットフォームをベースにしたフルEVのBセグメントホットハッチがある。また、ルノー日産三菱アライアンスの「CMF EV」プラットフォームをベースにしたフルEVのCセグメントスポーツクロスオーバー車も計画されている。

◆0〜100km/h加速4.5秒で最高速は250km/h
A110 E-TERNITEのモーターは、最大出力242hp、最大トルク30.6kgmを発生する。0〜100km/h加速4.5秒、最高速250km/hの性能を可能にした。内燃エンジン搭載のA110の0〜100km/h加速4.2〜4.4秒、最高速260〜280km/hと比較しても、遜色ない動力性能といえる。

バッテリーは、『メガーヌE-TECHエレクトリック』用をベースにしており、蓄電容量は60kWh。A110への搭載にあたっては、スポーツカーの運動性能に影響を与える前後重量配分にこだわったという。12個のバッテリーモジュールを車載化するために、専用のバッテリーケースを設計した。12個のバッテリーモジュールのうち、4個をフロントに、8個をリアに搭載。前後重量配分は、42対58とした。これは、内燃エンジン搭載のA110の前後重量配分43対57とほぼ同等だ。

トランスミッションは、内燃エンジン搭載のA110と同様、電子制御式のダブルクラッチ(DCT)とした。ただし、EVパワートレイン向けに専用設計されている。具体的には、コンパクトさや軽量さを維持したうえで、トルクの低下を回避できるシステムを開発したという。

◆1回の充電での航続は最大420km
また、A110 E-TERNITEでは、ボディ剛性を低下させることなく、新開発のオープンルーフを組み込んだ。2つのルーフシェルにリサイクルされたカーボンを注入することで、ボディ剛性に影響を与えることなく、シンプルで軽量なオープンルーフを実現したという。

室内には、パーソナルタブレットを使用したマルチメディアシステムを採用した。Appleやグーグル「Android」をベースにした直感的で自然なコネクト体験を追求した。サラウンドサウンドを可能にする8スピーカーオーディオシステムも搭載している。

車両重量は1378kgと、内燃エンジン搭載車から258kgの増加に抑えた。1回の充電で、最大420km(WLTPサイクル)の航続を可能にした、としている。

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