日産サクラ発表(2022年5月20日)《写真撮影 高木啓》

きょうは何の日? 例えば、6月10日が「時の記念日」のように、日本で初めて時の知らせが行われたことを記念して制定された日もあれば、単なる曜日の語呂合わせなどで記念日が決まることも少なくない。

そんな記念日がほぼ毎日のように伝えられているが、きょう6月16日は、日産自動車にとっては「サクラ記念日」とでも呼べるかも……。

◆EVシェアの4割を獲得
きょうの日経がビジネス面のトップ記事で「日産自動車の軽の電気自動車(EV)『サクラ』が快走している」と報じているが、コロナ禍の1年前の6月16日に発売以来、累計販売台数が4万台規模に達しているそうだ。

それによると、生活の足となっている「軽」は、スズキ、ダイハツ、ホンダが安さ、燃費、使い勝手などで激しく競い合い、国内の自動車市場の4割を占めるなど、コスパの良いエンジン車の金城湯池。だが、日産サクラは、国などの補助金制度を考慮しながら入念な価格戦略と性能のメリハリで「2台目需要」などをつかみ、「普及が鈍い日本のEV市場でのシェアが一気に4割を超えた」とも伝えている。

サクラは日産と三菱自動車が共同で開発し、三菱自動車も『eKクロスEV』のブランドで販売しているほか、岡山県倉敷市の三菱自動車水島製作所で生産している。三菱の『eKクロスEV』を含めて、その生産台数の累計が5万台を超えているそうだが、ここでは日産サクラに焦点を当てた記事で、そのことには触れていない。

◆世界では日産・仏ルノー・三菱の連合で7位
ただ、日経の記事では、EVの2022年の世界販売台数は、メーカー別ではトップ10に、テスラなどの米国勢が3社、中国勢が4社などと、米中勢が先行。日本勢は日産・仏ルノー・三菱自動車の日仏連合が7位に入っているのみで、出遅れているトヨタ自動車やホンダなど巻き返しを図る日本勢には、「先行する米中勢に対抗する性能や価格競争力が問われている」とも。いかにも日経らしい指摘だが、「サクラ記念日」がいつまで続くのかどうかも興味深い。

2023年6月16日付

●トヨタEV電池に補助、経産省1200億円、国内生産強化(読売・2面)

●レクサスEV都心で急速充電、日比谷に開設(読売・8面)

●日産ナンバー2 月末退任へ(読売・8面)

●横浜の列車逆走書類送検、シーサイドライン事故、自動運転設計の3人(朝日・32面)

●新幹線指定席1年前予約可能に、ネットサービス拡充、JR東海など(毎日・6面)

●半導体「日米連合」漂う不安、キオクシア合併協議主導権で綱引き(産経・10面)

●トヨタ、豊田会長の賛成率低下(産経・10面)

●近ツー過大請求3人逮捕、ワクチン事業、5.8億円詐欺疑い(産経・27面)

●日産「サクラ」快走、発売1年4万台、実質200万円切る軽EV、国内EV市場の4割超えに(日経・15面)

東京ミッドタウン日比谷内 レクサス充電ステーション《写真提供 トヨタ自動車》 日産自動車のグプタCOO(向かって左、中央は内田社長)。2022年度上期決算発表会見(2022年11月9日)《写真提供 日産自動車》