「パワードサブウーファー」の一例(ミューディメンション・Black Box X10)。Photo by イース・コーポレーション

カーオーディオアイテムを自ら取り付けてみたいと思っているドライバー諸氏に向けて、インストールのコツや注意事項を解説している当連載。現在は、「パワードサブウーファー」を設置する際のポイントを紹介している。

今回も、前回に引き続いて「バッ直」のやり方を説明していく。まず「バッ直」とは、プラス電源を車両のメインバッテリーから直接引き込む配線方法のことを指す。なお、メインバッテリーがエンジンルームにあり、そして車室内へとケーブルを通せる適当な穴が見つからない場合には、「バッ直」の難易度はかなり高まる。

さて、ケーブルをメインバッテリーから「パワードサブウーファー」のところまで無事に通せたら、配線作業を完了させるにあたり1つ重要な工程を踏まねばならない。今回はそれについて説明していく。

その重要な工程とは、「ヒューズの取り付け」だ。「ヒューズ」とは、規定よりも多くの電流が流れたときに自ら“切れて”電気の流れを遮断するという役割を負うパーツだ。これを、車両のメインバッテリーのそば(数10センチ離れた場所)に設置して固定する必要があるのだ。

そうしなければならない理由は以下のとおりだ。クルマでは基本的に、電装品の配線を簡略化するためにボディがマイナス側のケーブルの役割を果たしている。なので、マイナス側もケーブルで繋がれている場合と比べて「ショート」が起こりやすい。もしもプラス側の配線がどこかで切れてむき出しになった導線がボディの金属部分に触れてしまうと、プラスとマイナスが直結する。これが「ショート」だ。

そして「ショート」が起こると配線の途中に抵抗となるものが何もなくなるので、一気に大量の電気が流れ、わずかな時間でケーブルの被膜が熱で溶け、最悪、車両火災が引き起こされる。

しかし「ヒューズ」を設定しておけば、その可能性を排除できる。例えば「バッ直」の配線がシートレールに挟まって断線し「ショート」が起こったとしよう。そのとき「ヒューズ」はすぐさま切れて「ショート」を終わらせてくれるのだ。

なお「ヒューズ」はバッテリーの近くに設定するのが原則だ。「ヒューズ」は「ショート」が起こった場所とメインバッテリーの間になければならないからだ。「ヒューズ」をバッテリーから離れた場所に設定すると、「ヒューズ」とバッテリー間のどこかで「ショート」が起きたとき「ヒューズ」は“蚊帳の外”に置かれることとなる。そうなると役目を果たせない。

そしてケーブルを這わせる場所選びにも配慮が必要だ。断線の可能性が高い場所(例えばシートレールのそば)には這わせないように気を付けよう。

今回は以上だ。次回は、「パワードサブウーファー」の固定方法について説明する。お読み逃しのなきように。