DOGDEPT GARDEN HOTEL KARUIZAWA TERRACE《写真撮影 青山尚暉》

昨年末に行われた2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)では、なんと軽自動車として初、しかも軽規格の電気自動車、日産『サクラ』、三菱『ekクロスEV』が受賞。10ベストカーのノミネート車も、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)が独占状態だった。

そう、2022年は日本の電気自動車元年ともいえる年で、トヨタ『bZ4X』、スバル『ソルテラ』、日産『アリア』、そして日産サクラ、三菱ekクロスEVという電気自動車がデビュー。輸入車でもBMW『iX』を始めとする電気自動車が続々と登場した1年でもあったのだ。

◆ドックフレンドリーな電気自動車、やはり懸念は「航続距離」
ところで、電気自動車はある意味ドッグフレンドリーなクルマと言っていい。100%モーター駆動だから加速はスムーズそのもので、驚くほど静かに走り、バッテリーを床下に敷き詰めてあるため低重心で安定感も抜群だ。つまり、車内でどこかにつかまれない、そして聴覚に優れた犬にとって、最上の移動空間、ドライブ体験ができるということになる。

もっとも、電気自動車は自宅充電が基本だとしても、愛犬との旅先で充電が必要になるケースがある。例えば、国産の電気自動車で、航続距離がWLTCモードで542km(FWDは567km)のクルマがある。しかし、エアコン(ヒーター)を使うと、航続距離は一気に減少。一例では、ある程度充電し、航続可能距離が398kmと表示されても、エアコンをオートで作動させると航続距離は350kmにぐらいに縮まる、なんてこともあるのである。

そのような航続距離の電気自動車でも、片道100kmぐらいの愛犬連れドライブ旅行なら、満充電で出発すれば、途中で充電することなしに帰ってこれるはずだが、観光をしたり、寄り道をすれば、航続距離に不安が出るかもしれない。ならば、高速道路のSA/PAで充電すればいい…ということになるのだが、多くのSA/PAの急速充電設備は1台、多くても2、3台だ。先客がいれば30分以上は並んで待たなくてはならないし、空いていてすぐに充電を開始できたとしても、犬連れだと実は結構面倒。真冬、真夏だと、人間だけならSA/PA内の施設・建物に入り、食事をしたり、暖を取る、涼むということもできるだろうが、屋内に犬が入れる施設のあるSA/PAはほとんどない。

もっとも、ドッグラン、緑地があるようなSA/PAであれば、急速充電をしている間を、愛犬をリフレッシュさせるための時間として活用できるのだが、もし雨の日や雪の日だとしたらどうだろう…。

筆者はつい最近、電気自動車の日産サクラやスバル ソルテラで、愛犬のジャックラッセルのララを連れ、南房総や河口湖へとドライブしたばかりなのだが、やはり滞在先の愛犬同伴可能な宿泊施設に充電設備があるのがいちばん効率的で、安心快適な電気自動車×愛犬のドライブが可能になると実感。

そこで、愛犬同伴可能な宿泊施設で、電気自動車用の充電設備がある宿を探してみた。すると、ここ1年の間に充電設備を新設した宿、最新の宿を含め、筆者のおすすめ宿でもある数軒を探し出すことができた(いずれも200V。実際にはもっと多くの電気自動車充電設備のある宿があるはず)。

◆2月にグランドオープン! 地球にも愛犬にも優しい「Rakuten STAY VILLA」
まずは、2023年2月にグランドオープンする、無人チェックイン/アウトでもおなじみのRakuten STAY VILLA最新の1軒が、「Rakuten STAY VILLA鴨川」。さっそく、電気自動車のVolvo『XC40 リチャージ アルティメット ツインモーター』で事前訪問することに。

4511.15平方mもの広大な敷地に2階建て戸建てタイプのヴィラが全16棟立ち並ぶ同施設。各ブロックにテーマがあり、明るいトーンで海の浅瀬や水中をイメージした「浅い海のお部屋」、オシャレでエキゾチック内装デザインが特徴の「モロッカンのお部屋」、落ち着いたトーンで海の中や海底をイメージさせる内装の「深い海のお部屋」、洗練された和を感じられ、共に落ち着いて過ごせる「和モダンのお部屋」の4タイプが揃う。

約300平方mもの広さを誇る2棟あるスイートルームにはベッドルーム×2、12畳の和室(就寝可)、3か所のトイレ、2か所のバスルームのほか、プール、自動演奏ピアノ、冷蔵庫の飲み物サービス、ビールサーバー(3リットル)、シアタースペースを用意する(12名まで宿泊可)。そのほかの全14室ある2LDKタイプのヴィラも117平方m〜という広さを誇り(10名まで宿泊可)、全棟にウッドデッキテラス、サウナ、人工温泉、プロジェクター、フルキッチン、洗濯乾燥機などを完備。長期滞在にも向く施設となっている。また、楽天市場体験ができるのも楽天ステイの大きな特徴だ。部屋に用意されたサンプルアイテムが気に入れば、その場で楽天市場から購入することも可能なのだから、楽しい。

そして嬉しいのが、Rakuten STAYの他の施設同様に、愛犬同伴可能な棟があること。ここではスイートルーム1棟とDタイプ7棟の全8棟(すべてメゾネット)が、プチドッグラン付きの愛犬同伴可能な部屋となっている(朝夕の食事付きプランあり)。

しかも、オープンと同時にEV充電設備を6台分(3.2kW、D棟近くの駐車スペースにあり。無料)! も用意しているのだから、まさに、地球だけでなく、愛犬にも優しい電気自動車で訪れるのにぴったりな愛犬同伴可能な贅沢すぎる宿泊施設と言っていい。

◆DOG DEPTがプロデュース、軽井沢の愛犬同伴専用ホテル
ドッグフレンドリーな日本有数のリゾート地、避暑地と言えば軽井沢。これまでもあちこちにいち早く電気自動車の充電設備を充実させていたエリアだが、愛犬同伴可能な宿泊施設で200Vの充電設備があったのは、このあと紹介する「ART HOTEL DOGLEG軽井沢」ぐらいのもの。で、わが家が電気自動車で軽井沢を訪れた際は、必ず立ち寄る軽井沢プリンスショッピングプラザのDOG DEPTに近い駐車場にある200Vの充電設備を利用。充電している間にショッピング、ランチが愛犬同伴でできて便利だったものの、やはり数時間では充電量が限られてしまうのが難点だった。

そんな軽井沢の愛犬同伴型リゾート宿最新の1軒である、あのDOG DEPTがプロデュースする「DOG DEPT GARDEN HOTEL KARUIZAWA TERRACE」に、つい最近、200Vの充電設備が2台分(無料)付いたので、さっそく行ってみることにした。立地は軽井沢の一等地、プリンス通りに面したTHE DOG DEPT GARDEN軽井沢の真向かい。軽井沢の緑に囲まれた静かなロケーションに建つ2階建ての愛犬同伴専門のリゾートホテルであり、全室、BBQもできる広々としたテラスを完備。1階の客室はウッドデッキのテラスに加え、ウッドチップ敷きのミニプライベートドッグランもある。

一例として1階東向き(プリンス通り向き)の105号室を紹介すると、客室面積は50平方mもあり、テラス5平方m、プライベートドッグラン9平方mが加わる広さ(1〜4名向け)。ワンフロアタイプのため、室内のどこにいても愛犬の様子を確認できる安心感も嬉しいところ。冬は床暖房や電気式暖炉もあって(もちろんエアコンもあり)、軽井沢の冬景色、寒さとは別世界の暖かさ。食事は季節によって、プリンス通りを挟んだ向かい側のTHE DOG DEPT GARDEN軽井沢のレストラン、または部屋でのBBQが味わえる。

ちなみにDOG DEPT GARDEN HOTEL、DOG DEPT GARDEN HOTEL KARUIZAWA TERRACEのゲスト向け送迎車としてCOTYを受賞した電気自動車、日産サクラが加わっている。

◆愛犬と楽しめる村!?「Asovillage(アソヴィレッジ)in九十九里」
次なる愛犬、愛犬家にお薦めの一軒が、2021年8月にオープンした、愛犬同伴型リゾートホテルの& WAN九十九里のグループ施設である、アソビラシリーズの「Asovillage(アソヴィレッジ)in九十九里」。蓮沼海岸、蓮沼海浜公園の並びの南浜海水浴場に面した約2000坪もの敷地に展開する、一軒家タイプのヴィラが全8棟立ち並ぶ(1棟は猫用)、愛犬と楽しめる“村”(VILLAGE)のような一大プロジェクト。立地は圏央道・松尾横芝ICから約18分、圏央道・千葉東金道路・東金I.C.出口から約30分(東金九十九里有料道路を経由した場合)と、アクセスはもう抜群。東京からクルマで約1時間半の距離だ。

例えば、筆者も滞在したGOと名付けられた青空に映える白壁のヴィラは、総敷地面積230坪(750平方m)、建物25.5坪(84平方m)、屋根付きテラスゾーン5坪(16平方m)、BBQコンロスペース、起伏のある天然芝のプライベートドッグランはなんと約180坪(600平方m)という広さ。

そんな「Asovillage(アソヴィレッジ)in九十九里」につい最近、6kWの200V電気自動車用充電設備(無料、フロントに声かけ)が、フロント前のパーキングスペースに付いたのである。これで、Asovillage(アソヴィレッジ)in九十九里に電気自動車で訪れても、もう安心というわけだ(※近くの道の駅の充電器は現在、稼働していないという情報もあり)。

◆古くから親しまれるリーズナブルなホテル、「ART HOTEL DOGLEG軽井沢」
古くから、軽井沢のリーズナブルに泊まれる愛犬同伴型リゾートホテルとして200Vの充電設備を備えていたのが、「ART HOTEL DOGLEG軽井沢」。筆者ももう何度となく訪れているB&Bタイプの宿だが、実はここのオーナー、大のクルマ好きでもあり、現在もSUVタイプの電気自動車などを所有。だから、というわけでもないのだが、従来の200V 3Kw 1台に加え、デルタの200V 6Kwを増設。近々、200V 6Kwをもう1基増設する予定だという(有料、3Kwと入れ替え)。

ART HOTEL DOGLEG軽井沢は朝食のみを提供する、全室、愛犬同伴可能な施設だが、カジュアルにして居心地はなかなか。全室にIHキッチンが備わり、もちろん独立したバス、トイレを完備。ドッグランもあり、長期滞在にもぴったりの1軒である。なお、浅野屋のパンを使った朝食はオプションで注文できる。

200Vでも6kWの充電設備は、一晩かければ効率的に十分な充電が可能となり、例えば78Kwのバッテリーを搭載した電気自動車、ボルボ XC40 リチャージ アルティメット ツインモーターを10%から100%まで充電した場合、約12時間でほぼ満充電(90%までの充電が推奨されている)。チェックインからチェックアウトまでの時間は午後3時チェックイン、翌朝10時チェックアウトの宿で19時間もあるのだから、翌朝、余裕と安心をもって出発でき、帰路につけるだろう。

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