メルセデスベンツは12月2日、新型EVミニバン『EQT』(Mercedes-Benz EQT)のロングホイールベース車をベースにしたキャンピングカーのプロトタイプ「コンセプトEQTマルコポーロ」を欧州で発表した。EQTは『Tクラス』のEV版だ。
◆ベッド付きのポップアップルーフ
コンセプトEQTマルコポーロのハイライトは、ベッド付きのポップアップルーフだ。シザースデザインのおかげで、ポップアップルーフは車両のルーフに対して、わずかな傾斜角度で持ち上げることができるという。これは、コンセプトEQTマルコポーロの車内に、乗員にとって充分なスペースを持つことを意味している。
また、ポップアップルーフは、後部のファスナーを操作して、窓のように部分的に開閉することができる。これにより、キャンプで開放感を味わえるようにした。ポップアップルーフはベージュ色で仕上げ、赤をアクセントに使用している。
ルーフベッドのサイズは、縦1970mm、横970mmとし、スリーピングエリアを確保した。点弾性皿ばねシステムなどにより、快適な寝心地を追求している。
◆IHコンロやキッチンシンクを装備可能
室内には、縦2000mm、横1150mmの折りたたみ式の寝室を設けた。2列目シートには、容量16リットルの冷蔵庫とキッチンシンクを組み込む。引き出しには、キャンプ用品を収納するのに十分なスペースが備わる。また、調理用のIHコンロと、脱着式ガスカートリッジも装着できる。
室内の右側には、電動で高さを調整できる折りたたみ式テーブルを装備する。さらに、収納コンパートメントも組み込まれている。
室内のすべての家具ユニットは、大人2名で5分以内に簡単に取り外すことが可能という。これにより、キャンピングEVを、必要に応じて日常の車両として使用できるようにした。また、全高は2000mm以下に抑えている。
◆ポップアップルーフにソーラーパネルを取り付けることも可能
コンセプトEQTマルコポーロのベース車両は、将来EQTに追加予定のロングホイールベースバージョンだ。外観は、クロマイトグレーメタリックで塗装された。フロントとリアにはブラック塗装のクロームトリムをあしらい、足元には19インチのダイヤモンドカットアルミホイールを履く。
ポップアップルーフには、ソーラーパネルを取り付けることができる。脱着式バッテリーユニットとの併用により、キャンプシーンで電力を自給自足し、航続への影響を低減することが可能。このバッテリーは、シートの引き出し内に搭載されており、充電の際には簡単に取り外しできるようにした。これにより、自宅のコンセントやキャンプ場でも充電できる。
車両の側面にはサンオーニング、リアウィンドウには遮光システムを取り付けることができる。スイッチを押すだけでガラスの色が変わるため、カーテンやローラーシャッターなどのシステムを不要にしている。
◆アヴォラチェリー材など高品質を追求した家具
コンセプトEQTマルコポーロの家具は、機能的なだけでなく、高品質なインテリアにフィットすることを目指した。たとえば、「ARTICO/MICROCUT」素材を使ったシートをはじめ、キッチン、ベンチ、ベッドルームのトリムも上質さを追求する。一方、家具の前面は、アヴォラチェリー材で仕上げられた。アンビエント照明も組み込む。
上側のベッドエリアには、ダークルーフライナーとLED照明を採用した。合計7つのUSBポートも装備する。USBポートのひとつはポップアップルーフ内にあり、2つはリビングエリアに配置している。
メルセデスベンツのEVミニバン『EQT』、本格キャンピングカー設定へ…ロング版がベース
2022年12月13日(火) 11時45分
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