フォルクスワーゲン ID.4 の「モバイル・ドローン・レスポンス・ビークル」《photo by VW》

フォルクスワーゲンは、11月1日に米国で開幕するSEMAショー2022において、電動SUVの『ID.4』をベースにしたカスタマイズカーを初公開すると発表した。

◆強化された足回りにルーフラック
このカスタマイズモデルは、米国の「テネシー川流域開発公社(TVA)」のために製作された。TVAは2030年までに、保有する車両を約400台のEVセダンと約800台の電動SUVに置き換える計画だ。300基以上の充電ステーションの建設も予定している。

その初期段階として、TVAはフォルクスワーゲンID.4を使用した1年間にわたる実証テストを行い、EVの機能やさまざまなアプリケーションを分析する。フォルクスワーゲンはID.4をカスタマイズし、TVAに貸与する。

カスタマイズされたID.4は、「モバイル・ドローン・レスポンス・ビークル」だ。ドローンや各種計測機器を積むために、トランクには収納式カスタムストレージユニットを装備した。ポータブル発電器も搭載する。Thule製のルーフラックとサイドオーニングも装備。足元には、18インチアルミホイールにオールテレーンタイヤを組み合わせた。サスペンションも強化。デジタルバックミラーも採用されている。

◆エントリー仕様の航続は335km
カスタマイズモデルは米国向けID.4がベースだ。2023年モデルの後輪駆動グレードの場合、リアアクスルに搭載されたモーターは、最大出力201hp、最大トルク31.7kgmを引き出す。AWDグレードの場合、フロントアクスルに最大出力107hp、最大トルク16.5kgmのモーターを追加する。リアアクスルのモーターと合わせて、システム全体で最大出力295hp、最大トルク46.9kgmを引き出す。「Pro AWD S」グレードの場合、0〜96km/hは5.7 秒の性能を発揮する。

バッテリーは蓄電容量が82kWh。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。電動4WDと210mmの最低地上高により、整備されたオフロードでは優れた性能を発揮するという。1回の充電での航続は、米国仕様の場合、最大で約443kmとした。

2023年モデルには、バッテリーの蓄電容量を抑えた62kWhのエントリー仕様が新たに設定された。1回の充電での航続は、最大で約335kmとしている。

◆急速充電ステーションでの充電時間を短縮
DC急速充電ステーションでの充電出力を125kWから135kWに引き上げ、充電時間の短縮が図られた。また、全米のDC急速充電ネットワークとして、フォルクスワーゲングループが設立した「エレクトリファイ・アメリカ」において、3年間無制限の30分間充電パッケージが無償付帯する。

フォルクスワーゲンの顧客は、エレクトリファイ・アメリカのアプリを通じて、充電を管理できる。急速充電ステーションでの認証が簡単に行えるプラグ&チャージ機能をオプション設定し、エレクトリファイ・アメリカでの充電を簡素化する。

エレクトリファイ・アメリカは現在、全米に800か所のEV向け急速充電ステーションと約3500基の急速充電器を擁する。同社は2026年までに、米国とカナダで、充電ネットワークを現在の2倍以上に増やす計画だ。この計画が実現すれば、急速充電ステーションは1800か所、急速充電器は1万基に拡大する、としている。

フォルクスワーゲン ID.4 の「モバイル・ドローン・レスポンス・ビークル」《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の「モバイル・ドローン・レスポンス・ビークル」《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の2023年モデル(米国仕様)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の2023年モデル(米国仕様)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の2023年モデル(米国仕様)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の2023年モデル(米国仕様)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の2023年モデル(米国仕様)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の2023年モデル(米国仕様)《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.4 の2023年モデル(米国仕様)《photo by VW》