UK製、トヨタ・カローラHV《photo by Toyota》

トヨタ自動車が、英国で脱炭素化の計画のために2030年にハイブリッド車(HV)の販売が禁止された場合に、「英国生産から撤退する可能性がある」と、英政府に警告していたそうだ。

英紙『サンデー・テレグラフ』が、環境シンクタンクが情報公開請求で入手した文書を基に報じたもので、きょうの毎日などが、共同が配信した記事を取り上げている。

トヨタの英国進出は「鉄の女」と呼ばれた当時のサッチャー政権の要請で、日産やホンダとともに1990年代前半に現地生産を開始。現在も英国のダービーシャー地方のバーナストン工場で『カローラ』のHVモデルなどを生産している。

英政府はガソリン車とディーゼル車の新車販売を30年に禁止する方針を決定したが、HVについては環境性能に優れたモデルに限って35年まで認める方針という。ただ、業界や環境団体との協議を経て年内に策定される基準では、一部のプラグインハイブリッド車(PHV)以外は対象とならない見通しで、日本国内のようにHVを含めた「いわゆる電動車」というようなゆるやかな基準とはならないとみられる。

すでに、欧州販売の不振で稼働率が低下していたホンダは、英国生産からの撤退を決定した。

トヨタの英政府に対しての警告は、「HVの販売制限が『生産、販売、その他の事業活動』や、英国での『将来の投資』に影響を与えると指摘」とも伝えられている。理由はともかく、HVが生命線のトヨタがこのまま英国での生産を続けられるかどうかも注目される。

2022年8月2日付

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●航空2社業績に薄日、4〜6月、ANA最終益10億円、JAL赤字大幅縮小(読売・10面)

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トヨタ自動車UKバーナストン工場《photo by Toyota》