
BMWは6月30日、EV『i3』の最終モデル、「ホームラン・エディション」の10台がラインオフし、同車の生産を終了した、と発表した。BMW初の本格量産EVのi3が、発売から約8年半を経て約25万台を生産し、その歴史に幕を下ろした。
◆新色のフローズンダークグレーとフローズンレッド
ホームラン・エディションは、『i3s』がベースだ。新色のBMWインディビジュアル塗装仕上げとして、フローズンダークグレーとフローズンレッド2が設定される。足元は、ダブルスポークデザインの20インチアルミホイールで引き締められた。
電動ガラスルーフ、ソーラーコントロールグレージング、アダプティブLEDヘッドライトも装備した。さらに、「Vernasca Dark Truffle」と呼ばれるレザー内装、レザー張りのインストルメントパネル、亜鉛メッキトリム付きレザーステアリングホイール、カルムグレーのルーフライニング、アンビエントライト、ウェルカムライトも装備されている。
オプションとして、ヒーター付きシート、コンフォートアクセス、警報システム、リアルタイムの交通情報、コンシェルジュサービス、パークディスタンスコントロール、リアビューカメラが設定された。また、コンフォートパッケージとドライビングアシスタントプラス、プロフェッショナルナビゲーションシステム、ワイヤレス充電付きテレフォニー、ハーマンカードン製ハイファイスピーカーシステム、オンラインエンターテインメントも用意している。
◆最大出力184hpのモーターを積む『i3s』がベース
ホームラン・エディションは、高性能バージョンのi3sがベースだ。通常モデルのi3のモーターは最大出力170hp、最大トルク25.5kgmを発生する。i3では0〜100km/h加速7.3秒、最高速150km/h(リミッター作動)の性能を発揮するモーターとなる。
i3sの場合、モーターは最大出力184hp、最大トルク27.5kgmを発生する。動力性能は、0〜100km/h加速6.9秒、最高速150km/h(リミッター作動)となる。
バッテリーに関しては、大容量バッテリーを搭載し、航続を拡大した「120Ah」仕様となる。120Ahでは、バッテリーの大きさは従来通りながら、蓄電容量を従来の「94Ah」の33.2kWhから42.2kWhへ、27%大容量化。これにより、1回の充電での航続は、最大307km(WLTPサイクル)を確保している。
◆BMW iの市販モデルの第一号車がi3
BMWグループは2011年、サスティナビリティを重視したライフスタイル提案ブランドとして、「BMW i」を立ち上げた。BMW iの市販モデルの第一号車として、2013年9月から生産を開始したのが、EVおよびプラグインハイブリッド車(PHV)の i3だ。
2017年9月には、デビュー以来、初の改良新型モデルを発表した。内外装に改良を施すとともに、スポーティEVとしてi3sグレードを設定している。BMWは2021年12月、100万台目の電動車両を顧客に引き渡した。その道のりにおいて、i3が果たした役割は大きいといえる。
BMWグループは2025年までに、ピュアEVの販売台数を年平均50%以上増加させ、2020年の販売台数比で10倍以上にすることを計画している。BMWグループでは、2030年には全世界の販売台数の少なくとも半数をピュアEVが占めるようになると予測している。今後10年間で、BMWグループは合計およそ1000万台のピュアEV を投入する予定だ。








