自動車博物館「BMW Welt」の新しい高級レストラン「THE CLOUD by Kafer」《photo by BMW》

ドイツ・ミュンヘンの自動車博物館「BMW Welt」に新しい高級レストラン「THE CLOUD by Kafer」が開業した。

年初からシェフのイェンス・マドセンは、BMWグループのイノベーションスタジオのDesignworksと協力し、独自のコンセプト「CULINARY NOMADISM(料理の遊牧主義)」を展開してきた。4月のポップアップイベントで成功を収めたこのビジョンをもとに、マドセン、レストランマネージャーのモナ・レーティヒ、ソムリエのルイジ・ペッキアらがチームを組み、ゲストに新たな食体験を提供する。

オープニングシーズンのテーマは「NOMADIC EARTH(遊牧する地球)」。マドセンは世界各地の香りや食感と地元バイエルンの高級食材を融合させた料理で、ゲストを美食の旅へと誘う。マイケル・ケーファーは「この新しい旅の第一章を通じて、ゲストに特別な体験を届けたい」と語る。

Designworksのアンダース・ウォーミングは、空間デザインについて「素材や形状、細部が調和し、感覚的で感情に訴える雰囲気を作り出している」と説明。BMW Weltのサンドラ・ウィッテマーは「車の引き渡しだけでなく、ここでしか味わえない料理の旅を提供できる」と述べた。

Designworksとケーファーは2023年から密に連携し、光や音楽、視覚、触覚が一体となる空間を創出。建築・デザインスタジオhildmannwilke、照明ブランドOcchio、アーティストのオスカー・サバラ、スイスの高級ファブリックメーカーJakob Schlaepferらと協力している。

メニューは8品のコースで、地元のヤギ乳やキンザウのシャー、ポルティンガー森林の鹿肉などの食材を使い、アフリカのバーで出されるスナックに着想を得たミルクフェッド仔牛のブロシェットも提供。マドセンの料理哲学は「動き、記憶、起源」に根ざし、世界の伝統や技術、香辛料と地元食材を融合させている。

レストランはBMWのデザイン言語を反映した洗練された空間で、COOP Himmelb(l)auが設計した「浮遊する」構造の3階に位置。ゲストはエレベーターで上がり、デジタルアートのムーンアイランドで夕暮れから夜への移ろいを感じながら、バイオフィリックバーやスリムバーでアペリティフやカクテルを楽しむ。ダイニングクラウドではBMW Weltの内部を見渡せるパノラマビューとともに、透明で軽やかな布製の雲のようなインスタレーションが浮かぶ空間で食事を堪能できる。

キッチンとダイニングクラウドの間には5トンのチタン石のモノリスがあり、料理の仕上げが行われる。15パーセントの透過率を持つ片面鏡からは調理の様子が垣間見える仕掛けもある。

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