レクサス RX450h+(PHEV)は、2.5リットルエンジンにモーターを組み合わせる《写真撮影 宮崎壮人》

レクサスのSUV『RX』の第5世代モデルが6月1日、世界初公開となった。フロントマスクのデザインが話題となっているが、今回の注目は現行の第4世代から一新されたパワートレインだ。

現行のV型6気筒エンジンは落とされ、すべてのグレードが直列4気筒となった。その直4エンジンには2種類があり、ひとつは2017年の『カムリ』以来トヨタのハイブリッドエンジンの主力となっている2.5リットル自然吸気ミラーサイクル、もうひとつは新開発の2.4リットル直噴ターボ。

最強は2.4リットルの「RX500h」、PHEVには2.5リットルを搭載
ユニークなのはシステム構成。2.4リットルターボを搭載するのはトップグレードでRX史上最強のグレードナンバーが与えられたハイブリッドの「RX500h」と、最もベーシックな非ハイブリッドの「RX350」。スペックは現時点では非公表だが、エンジン単体の出力は200kW(272ps)〜206kW(280ps)あたりと推定される。モーターアシスト機構を持たないRX350でも十分以上に強力な中高速域の加速Gを得られるだろう。

RX500hはその2.4リットルターボとハイブリッドシステムを組み合わせたものだが、そのハイブリッドシステムはトヨタお得意のコンバインドハイブリッド「THS II」ではなく、フロント1モーター、リア1モーターのパラレルハイブリッド。

似たシステムが採用された先例のひとつにボルボのプラグインハイブリッドカー『XC90 Recharge』があるが、RX500hはプラグインではなくスタンドアロンのハイブリッド。500というナンバリングから同じレクサスのフラッグシップ『LS』、ラグジュアリークーペ『LC』に類するパワートレインの能力を持つものと推測される。予想合成出力は270kW(367ps)前後。

一方の2.5リットルは通常のTHS IIとの組み合わせだが、スタンドアロンとプラグインで電動アシストの能力に差があり、前者には「350h」、後者には「450h+」というナンバーが与えられる。この2つはいずれも弟分のSUV『NX』で搭載実績があり、海外で公表されている合成出力は350hが179kW(243ps)、450h+が227kW(308ps)。これまで同じパワートレインでもモデル間で若干の性能差がつけられることもままあったが、大差はないだろう。

直4のみでも格段に広がったバリエーション
これらのパワートレインと組み合わされる駆動方式は350が前輪駆動と電子制御AWD(4輪駆動)、350hが前輪駆動と電動AWD「E-Four」、450h+はE-Fourのみ、そして500hが後輪にも高出力モーターを備え、100%前輪駆動から前20:後80の後輪重視まで駆動力を自在に配分する機能を持つ「DIRECT4」。エンジンは直4のみとなったが、パワートレインのバリエーションは格段に幅広くなったと言えるだろう。

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