VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》

フォルクスワーゲン『ゴルフ』にはさまざまなタイプが用意されるが、クルマ好きのユーザーにとって、特に人気の高い仕様が「GTI」だ。初代ゴルフから、各時代を代表するホットハッチとして設定されてきた。

現行GTIは直列4気筒2リットルターボを搭載して、最高出力は245ps(5000〜6500回転)、最大トルクは37.7kg-m(1600〜4300回転)を発揮する。加速する時の印象は、3.5リットル前後の自然吸気エンジンに近い。1500回転付近の駆動力にも余裕があり、直線的に速度を高める。特に4000回転を超えた領域の吹き上がりも活発だ。

注目されるのはタイヤが路面をつかむ力だ。電子制御式デファレンシャルロックの効果もあり、カーブを曲がり終える手前でアクセルペダルを踏み増しても、内側に位置する前輪が空転しにくい。駆動力が路面へ確実に伝わり、車両を前進させる。

そうなるとカーブを曲がる速度も高まるが、曲がっている最中に危険を避ける操作を行っても、後輪が踏ん張って挙動を乱しにくい。下り坂のカーブを含めて、スポーティな走りの楽しさと安定性を上手に両立させた。

逆に乗り心地は気になる。ショックアブソーバーの減衰力を抑えるコンフォートモードを選んでも、路上の細かなデコボコを伝えやすい。それでもタイヤが路上を跳ねるような粗さはなく、引き締まり感が伴う。GTIを買うユーザーには、好まれる乗り心地だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》 VW ゴルフGTI《写真撮影 中野英幸》