SOLTERRA STI CONCEPT(東京オートサロン2022)《写真撮影 中尾真二》

SUBARU(スバル)は2月7日に電話会議で2022年3月期の第3四半期(4〜12月期)連結決算を発表した。半導体不足などの影響で生産・販売が落ち込み、営業利益は772億円(前年同期比21.4%減)の減益となった。通期予想は第2四半期時点に続いて下方修正した。

第3四半期累計のグローバル連結販売は、半導体やコロナ禍によるアジアからの部品供給不足による生産減によって13%減の54万8000台となった。第2四半期までの回復から減益に転じた。主力の米国は需要が好調なものの、生産制約により19%減の37万2000台にとどまった。日本は6%減の6万6000台だった。

営業損益段階での増減益要因は、販売は減ったが売上構成差等で75億円の増益効果を確保した。一方、原材料費の高騰を反映している原価低減等は、改善効果を食いつぶして486億円もの減益要因になった。為替は1ドル111円で4円の円安となり、通貨全体では196億円の増益効果だった。売上高は2兆0075億円(3.2%減)、純利益は629億円(15.3%減)となった。

通期予想については、半導体の需給ひっ迫などによる生産影響が続いていることから、連結グローバル販売を従来比で9万台少ない74万台(前期比14%減)に下方修正した。第1、第2四半期決算の発表時にも下方修正しており、期初比では26万台少ない計画となっている。

これい伴い、通期の利益予想は営業利益は従来比で500億円減額の1000億円(2%減)、純利益は350億円少ない750億円(2%減)と、これまでの増益から一転して減益に見直している。米国での台当たりインセンティブ(販売奨励金)については、21年3月期の1300ドルから今期では850ドルに下げ、総額で380億円の削減効果を見込んでいる。

電話会議で水間克之専務執行役員は、第3四半期の状況について「世界的な半導体の供給不足や部品不足に起因した生産の減少で、十分な車両供給ができず減収減益となった。(国内外の市場で)強い需要を感じているが十分に供給できないため、バックオーダーは前回の決算発表時より更に積み上がっている」と説明した。

また、通期予想の下方修正をもたらした生産については「第3四半期から半導体供給不足の緩和を見通し、挽回生産を計画していた。しかし、現時点でも供給不足の影響が続いており、1月下旬からは想定以上の部品供給不足が発生して国内生産拠点の操業を停止せざるを得ないなど、先行き不透明な状況が続いている」と指摘した。そのうえで、世界の顧客に対しては「(生産や物流で)かつてない高効率のオペレーションを行い、一日でも早くお届けできるよう取り組んでいく」と話した。

スバル・アウトバック (北米仕様)《photo by SUBARU》 スバル・フォレスター (北米仕様)《photo by SUBARU》