ダイハツ・ハイゼットカーゴ新型《写真提供 ダイハツ工業》

ダイハツ工業は12月20日、軽商用車『ハイゼットカーゴ』を17年ぶりに全面改良し、発売した。プラットフォームを一新し、CVTを初採用するとともに、車体のスクエア化でクラス最大の積載スペースを確保したのが特徴。価格は104万5000円からとなっている。

新型ハイゼットカーゴの開発責任者を務める松本隆之エグゼクティブチーフエンジニアは「商用車は毎日の仕事や生活で使う相棒的存在だからこそ、すべての働く方々が安全、安心、心地良く働くことができるよう、わかりやすく機能的なデザイン、操作しやすく自然に使える機能、疲れにくく運転しやすい走りを目指した」と語る。

全面改良を機にプラットフォームを一新して、一括開発手法であるDNGAを軽商用にも初展開した。「DNGAの最大のポイントは新開発のCVTを採用したこと。クラストップレベルの燃費性能を実現し、いち早く商用CAFÉ規制にも対応している。またクラスで初めて電子制御式4WDを採用した。路面の状況に応じて前後輪のトルク配分を最適化することで悪路や雪道でも安心して走行して頂ける」と松本氏は解説する。

さらに「今回、車体構造をスクエアな形にするということでAピラーやバックドアを立てることでクラス最大の積載スペースを実現し、従来に比べて多くの荷物を積めるようになった」という。なお積載スペースは最大長1915mm、最大幅1410mm、最大高1250mmとなっている。

また「荷室内もシートの固定金具、ウインドー昇降ハンドル、リアシートベルトのリトラクターなどの凹凸を無くして床面や側面をフラットにして、荷物を積みやすく傷つけにくい構造にしている。さらに荷室内に道具棚を自作される方も多いので、多様なお客様の使用用途に対応できるよう荷室ナットを追加するなどしてアレンジしやすい荷室を実現している」とのことだ。

◆アトレーは4ナンバー化
ハイゼットカーゴの兄弟車の『アトレー』も新型に切り替わり同時発売した。価格は152万6000円から。今回の全面改良で先代までの軽乗用から4ナンバー車へと生まれ変わった。

4ナンバー化の理由を開発責任者の松本氏は「軽キャブワゴンの市場では2000年代以降、ファミリーユーザーが『タント』などスーパーハイト系の方に移行したことで、子離れシニアの方々が増えて、レジャーなどでの使用が増加している。キャブオーバー車ならではのパッケージングを最大限生かした、レジャーを中心とした新しいニーズに対応する商品に生まれ変わる必要があると考えた」と説明。

その上で「レジャーに必要な道具をたくさん積みこむことができて快適にアウトドアを楽しんで頂けるよう広い荷室空間と、最大350kgの積載量を実現した。カーゴ同様にフラットで車中泊でも使いやすい荷室スペースに加えて、ワーケション用に机を取り付けたい、キャンプで汚れた床面を簡単に掃除したいといった声にお応えし、アトレーならではの装備も多数ご用意した」と述べた。

具体的にはLEDヘッドランプを全車標準としたほか、2眼メーターの採用、メッキやシルバーのインテリア加飾も施されている。また今回の改良を機に後方が荷台のデッキバンをアトレーにも初展開した。

◆ハイゼットトラックは一部改良し、CVTも採用
一方、ハイゼットトラックは一部改良し、同時発売した。価格は90万2000円から。新型ハイゼットカーゴおよびアトレー同様にCVTを初採用。松本氏は「軽トラックナンバーワンの荷台フロア長をそのままに、新たにLEDの大型荷台作業灯を採用して夜間の作業もサポート。CVT車にもスーパーデフロックを採用した」と解説。

また今回、一部改良にとどめた背景については「我々の認識としてはトラックのプラットフォームは長年改良を重ねてきたので、ほぼ完成形に近いようなところまできていると思っているので、プラットフォームを一新するのではなく、CVTユニットの部分だけの刷新という形にした」と述べていた。

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