ジープ・ラングラー「4xe」《photo by Jeep》

ジープブランドは12月6日、『ラングラー』(Jeep Wrangler)の2022年モデルを欧州で発表した。欧州向けラングラーの2022年型は、PHVの『ラングラー4xe』のみとなる。

「4xe」は、ジープブランドのPHVに付される名称だ。すでに、『レネゲード』初のPHVの『レネゲード4xe』と、コンパス初のPHVの『コンパス4xe』が用意されている。ジープは、レネゲードとコンパスに続いて、ラングラーにもPHVの4xeを拡大展開した。

そして、欧州向けラングラーの2022年型は、PHVのラングラー4xeのみとした。これは、持続可能なモビリティに向けたブランドの戦略と、2025年までにジープ車の7割を電動車両にするというブランドの取り組みと一致しているという。

◆PHVシステム全体のパワーは380hp
PHVパワートレインは、エンジンが直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボだ。シリンダーヘッドに直接取り付けられたツインスクロールの低慣性ターボチャージャーによって、優れたレスポンスとパフォーマンス、燃費を追求している。

オルタネーターに代えて、「eトルク」と呼ばれるベルト・スタート・ジェネレーターを採用する。モーターは、8速ATと一体設計された。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、380hpのパワーと65kgmのトルクを獲得する。0〜100km/h加速はおよそ6.4秒で駆け抜ける。

ラングラー4xeは、『ラングラー』の4ドアをベースにしている。専用のボンネットを採用し、スキッドプレートと前後の牽引フックも装備する。オフロードホイールと大径タイヤを標準装備した。最低地上高は274mmで、最大760mmの渡河性能を持つ。アプローチアングルは44度、ブレークオーバーアングルは22.5度、デパーチャーアングルは35.6度と、ラングラーならではの優れたオフロード性能と、環境性能の両立を狙う。

◆EVモードは最大約50km
バッテリーは、蓄電容量17kWhのニッケルマンガンコバルトだ。EVモードでは、WLTPサイクルで最大約50kmをゼロエミッション走行できる。バッテリーは、2列目シートの下に配置された。このため、2列目シートが専用設計され、クッションを前に倒してバッテリーのメンテナンスを行う。

充電ポートは、左フロントフェンダーに設けられた。充電状態を示すLEDインジケータが備わる。インストルメントパネル上部にLEDバッテリー残量モニターを装備し、充電中の電池残量を確認できるようにした。

ラングラー4xeには、回生ブレーキを搭載する。ドライバーがブレーキペダルを踏むと、パワートレインコントロールが電気モーターから最大0.25gの回生ブレーキを作動させ、車両を減速させる。これにより、ブレーキパッドの寿命が延びるという。

◆最新の先進運転支援システム
タッチスクリーン付きの8.4インチ「Uconnect NAV」システム、7インチのTFTモニター、Apple「CarPlay」とグーグル「AndroidAuto」を標準装備する。「MY Uconnect」アプリによって、バッテリーの充電レベルや航続に関する情報を、スマートフォンで確認できる。

標準の安全装備には、リアクロスパス検出機能を備えたブラインドスポットモニタリング、リアカメラ、「ERM(Electronic Roll Mitigation)」付きESC、前後パークアシスト、キーレスエントリー「Ngo」が含まれる。 オプションとして、アダプティブクルーズコントロール、前方衝突警告プラス、新しいフロントカメラが用意された。さらに2022年モデルでは、自動ハイビーム、ブレーキアシストを備えた全速度域の前面衝突警告プラス、アダプティブクルーズコントロールなど、最新世代の先進運転支援システム(ADAS)が採用されている。

バッテリーの充電は、出力7.4kWhのチャージャーで約3時間。充電スケジュールを設定するオプションも用意される。ステランティスの合弁事業の「Free2Move」のeSolutionsが提供する「easyWallbox」を利用することも可能だ。

◆走行モードは3種類
ラングラー4xeには、「E Selec」と呼ばれる3種類の走行モードがある。ドライバーは、ステアリングホイール左側のボタンを操作して、パワートレインモードを選択する。選択したモードに関係なく、バッテリー残量が少なくなると、自動的に「ハイブリッド」モードに切り替わる。

ハイブリッドモードは基本モードで、2.0リットルエンジンと電気モーターのトルクを最適にバランスする。このモードでは、パワートレインは最初にバッテリーの電力を使用し、バッテリー残量が少なくなると、エンジンからの駆動力を追加する。

「エレクトリック」モードでは、パワートレインは、バッテリー残量が少なくなるまで、ゼロエミッションで走行する。「eセーブ」モードでは、2.0リッターエンジンからの駆動力を優先し、バッテリーの電力を節約する。ドライバーは、「Uconnect」モニターを介して、eセーブモード中に、バッテリーセーブとバッテリー充電のどちらかを選択することもできる、としている。

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