スバル・アウトバック・ウィルダネス《photo by Subaru》

SUBARU(スバル)が11月5日に電話会議で発表した2022年3月期の第2四半期(4〜9月期)連結決算は、販売の伸びが小幅にとどまったものの、営業利益は545億円(前年同期比77.9%増)と大きく回復した。

半導体不足の影響などによる生産減で、通期予想は下方修正した。第2四半期累計のグローバル連結販売は、半導体やアジアからの部品供給不足による生産減により、3%増の37万5000台と、小幅の回復に終わった。主力の米国は強い需要があるものの、生産の制約により3%減の25万3000台となった。日本は2%増の4万4000台だった。

営業損益段階での増減益要因は、販売の回復による売上増や構成差で534億円の増益となった。一方で原材料費の高騰を反映している原価低減等は、低減効果を食いつぶして257億円の減益要因になった。為替は1ドル110円で3円の円安となり、通貨全体では66億円の増益に作用した。売上高は1兆3417億円(10.1%増)、純利益は448億円(88.9%増)だった。

通期予想については、半導体の需給ひっ迫などによる生産への影響から連結グローバル販売を従来比で13万台少ない83万台(前期比4%減)に下方修正した。第1四半期の決算時点にも従来比で4万台少ない数値に見直しており、下方修正が続いた。

日米の工場での総生産計画も13万台少ない86万台(6%増)に修正した。これい伴い、通期の利益予想も営業利益は従来比で500億円減額の1500億円(46%増)、純利益は300億円少ない1100億円(44%増)に見直している。

電話会議で中村知美社長は、第2四半期の状況について「生産は当初想定していた以上の影響を受ける結果となった。一方で北米、日本やその他海外で非常に強い需要を感じている。主力市場の米国ではバックオーダーが過去最多の3万5000台レベルまで積み上がってしまった。車両さえ供給できれば更に多くの販売が実現できたと、大変悔しい思いだ」と振り返った。

そのうえで、「今後生産が回復した際には、更なる販売増、収益拡大につなげていける素地は十分に整っている」と指摘した。下期への構えとしては「コロナ禍で各種費用の見直しや、低在庫下でのオペレーションなどの学びもあった。それらを生かしてより筋肉質な体質への変革を目指していき、通期計画の達成に全社一丸で取り組みたい」と語った。

スバル・レガシィアウトバック新型《画像提供 スバル》 スバルの中村知美社長(参考画像)《写真撮影 池原照雄》